本堂再建、人集う場に 大洲・十夜ケ橋 西日本豪雨6年 あす12日法要

西日本豪雨から6年近くを経て再建された十夜ケ橋永徳寺の本堂(左)

【コロナ禍 縁で苦難越え】

 2018年7月の西日本豪雨で大きな被害が出た愛媛県大洲市。本堂などが床上浸水した十夜ケ橋永徳寺(同市東大洲)では、再建を進めていた本堂が6年近くの歳月を経て完成し、12日に法要を執り行う。三好圓暁住職(52)は「新たな本堂が、多くの人の集う場所になれば」と願っている。

 三好住職によると、西日本豪雨では以前の本堂が最大で床上1.6メートルまで浸水、寺の前を走る国道付近では地面から約3メートル浸水した。寺のすぐ横を肱川支流の都谷川が流れ、これまでも川があふれることはあったが「あの豪雨の被害は想像を絶するもの」だった。水の勢いで傾いた本堂は補強しても倒れる恐れがあると分かり、19年4月に実行委員会を立ち上げ、再建に着手した。

2018年7月の西日本豪雨で浸水した十夜ケ橋永徳寺の周辺(同寺提供)
寺の入り口に新たに設置した仁王像。「この高さまで水が来ました」と語る三好住職
2019年5月、流失した寺の縁起板が見つかった山口県周南市の大津島で、再建を誓い浜辺で読経する三好住職(十夜ケ橋永徳寺提供)

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