米国研修「成長できた」 津高3年の川口さん、後輩に経験談 名大の人材育成 三重

【米国研修の経験を話す川口さん(中央奥)=津市新町の県立津高で】

 【津】三重県津市新町の県立津高校は9日、同校図書館で「車座トーク」を開いた。昨年度名古屋大主催の人材育成プログラムに参加し、3月に米国の国立ノースカロライナ大で研究発表をした同校3年の川口雅人さん(18)が経験から得た気づきや学びを話した。

 同プログラムは高校1、2年生を対象に、名古屋大での講義とレポート▽同大での研究▽ノースカロライナ州での研修―の3段階で行う理数教育で世界で活躍する人材養成が目的。各段階の成績上位者が次の段階に進む仕組みで川口さんは約400人の応募から最終の20人に選ばれ渡米した。

 川口さんは名大での3日間9科目の講義から好きな天文分野の研究を経て自身初の海外へと至った経緯を時系列で紹介。共に渡米した仲間の能力の高さや米国の高校生の積極性に驚きながらも「優秀な人と触れ合って視野が広がり目標の基準が高くなった」、「授業中すかさず手を上げて聞いていた。自分も積極的になろうと思った」などと自身の変化を語った。

 得意ではなかったという英語も「日に日に耳慣れて最終日の発表では会話もつなげられた」と振り返り「あえて厳しい環境に自分を置くことで成長できた。日本で宇宙に関わる仕事に、就きたいと思っていたが世界で活躍するのも夢ではないと思った」と話した。

 「車座トーク」は若い世代のキャリアを聞く場として3年前から放課後に開催しており在校生の登壇は2回目。1―3年30人が参加した。

 1年の鈴村春胡さん(16)は「身近な先輩からアメリカの話が聞けてすごく楽しかった。短期間でも外国に行ってみたいと感じた」と感想を述べた。

© 株式会社伊勢新聞社