立佞武多、吹き流し方式復活 見応えアップ、有料席も増 最終日に吉幾三さん登場 青森県五所川原市

今年の五所川原立佞武多のポスターを披露する山崎会頭(左から2人目)、佐々木市長(同3人目)ら=10日、五所川原市役所

 青森県五所川原市の五所川原立佞武多(たちねぷた)運営委員会は10日、8月4~8日に開催する今年の「五所川原立佞武多」で、1地点からねぷたが順次出発する「吹き流し方式」を復活させると発表した。昨年は3カ所に分かれて一斉にスタートする方式だったが、運行がスムーズにできなかったことから「吹き流し」に戻すことにした。最終日の8日には同市出身の歌手・吉幾三さんが5年ぶりに登場し、祭りを盛り上げる。

 大会長の山崎淳一・五所川原商工会議所会頭らが市役所で会見し発表した。吹き流し方式のスタート地点は市中心部の旧ロータリー交差点。運行コースは前年と変わらず、立佞武多の館前-つがる総合病院前-増田病院前などを1周する約1.3キロとなる。

 山崎会頭は「昨年(の一斉スタート方式)は運行が途中で止まったり、遅れたりすることがあった。また、いきなり大きな立佞武多を見てもらうのではなく、だんだんと大きなねぷたが見えてくるという効果も考え、やはり吹き流し方式に-となった」と説明した。同方式による運行は2019年以来5年ぶりとなる。

 今年は「暫(しばらく)」「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」と新作の「閻魔(えんま)」の大型立佞武多3台が毎日出陣する。このほか中型立佞武多と小型ねぷた計14台が運行に参加する予定。運行時間は午後7~9時となる。

 一方、観客が増えることを見込み、今年は有料観覧席を昨年より270席増やし計550席設置する。吉さんは、最終日の運行前に行われる閉会式に登場して「立佞武多」を歌唱した後、徒歩で運行コースを1周する予定だ。

 この日の会見では今年のPRポスターも発表した。名誉大会長である佐々木孝昌市長は「5月1日の尊富士の凱旋(がいせん)パレードで立佞武多を全国に発信したので、『見たい』という人は増えていると思う。五所川原に来る人は確実に増えると思う」と期待を寄せた。

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