「OYW分科会」長崎市で開催 平和テーマに世界20カ国の若者150人

開会式で被爆証言をする朝長さん=長崎市秋月町、ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート

 若者の国際会議「ワン・ヤング・ワールド(OYW)」サミットの分科会として、平和をテーマに活動する若手起業家らがアイデアや知識を得る「ピース・プレナー・フォーラム」が11日、長崎市で開幕する。世界20カ国の若者約150人が参加し、国内外で活躍するゲストのトークセッションやワークショップなどを通じて議論を深める。12日まで。
 OYWは、次世代リーダーの育成、交流を目的として、国際団体OYW(本部・英ロンドン)が2010年から毎年、世界各地で開き「若者版ダボス会議」とも呼ばれる。長崎分科会は、長崎の産官学で設立したOYW長崎協議会が初めて開催する。
 10日、市内で開会式があり、長崎協議会の調漸会長は「みなさんが学んできたことをフォーラムで議論、共有し、さらに多くの気づきを得てほしい。楽しく、意味がある3日間にしよう」とあいさつ。被爆者の朝長万左男さん(80)が写真などの資料とともに原爆で破壊された街や人体への影響を証言。「核兵器は二度と使われるべきではない。長崎を最後の被爆地に」と訴えた。
 同日、同フォーラムに出席する国連軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が記者会見。長崎分科会の意義について「世界中で紛争が解決しない、むしろ悪化している状況の中で『被爆地長崎』に世界中の若者が集まり、平和を作るために何ができるかを真剣に考える場を設けるのは象徴的な意味でも重要」と強調した。

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