100年前の東京都浅草「来々軒」の人気再現 福島県郡山市の「トクちゃんラーメン」 15日から31日まで限定販売

100年前の「来々軒」の味を再現したラーメンとシューマイ

 福島県郡山市のラーメン店「手打ち中華トクちゃんラーメン」は15日から31日まで、100年前に東京都浅草の「来々軒」で人気を集めたラーメンを再現して限定販売する。相談役の小島進さん(77)と店長の浅川翔さん(33)は「都民に親しまれた幻の味を楽しんでほしい」と来店を呼び掛けている。

 1910(明治43)年創業の来々軒は日本のしょうゆラーメンの元祖とされ、1976(昭和51)年に閉店した。浅草出身の小島さんは約20年前、かつて来々軒で働いていた男性にレシピを学んだ。スープやチャーシュー作りに使われるショウガの風味が食欲をそそる。卵麺でメンマは甘めに仕上げる。セットのシューマイはネギ、玉ネギが入りで素朴な味が特徴だ。

 小島さんは1977年に妻とく子さん(74)と喫茶店を開き、1995(平成7)年にラーメン店となった。幼少期から「トクちゃん」のファンだった浅川さんは5、6年前から店で修業を開始。2020(令和2)年、小島さんに代わり店長に就いた。「幻の味を受け継いでほしい」と願う小島さんから「来々軒」の味を教わった。

 今回の再現企画には「トクちゃん」と「来々軒」の味を継承した、まな弟子に対する小島さんからのエールが込められている。「他人に感謝しながら店を守ってほしい」と小島さん。浅川さんは「二つの店の味を100年後の未来に伝えたい」と決意する。

 シューマイ付きの「支那そばセット」は税込み850円。営業時間は午前11時から午後7時まで。火曜日定休。問い合わせは同店へ。

調理場で語り合う小島さん(左)と浅川さん
来店を呼び掛ける小島さん(左)と浅川さん

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