五輪=ブラジルの複数選手、パリの夢諦め洪水被害支援

[ポルトアレグレ(ブラジル) 10日 ロイター] - ブラジル南部リオグランデドスル州で発生した洪水を受け、同地出身のブラジル人選手らが今夏のパリ五輪出場を諦めて、被災者の支援を行うという。

同州では先週からの豪雨による洪水で高速道路や橋が破壊され、これまでに113人が亡くなり、146人が行方不明。30万人以上が家を失い避難を余儀なくされている。

エバルド・ベッカー、ピエドロ・トクテンハーゲン両選手は、男子ローイングの軽量級ダブルスカルで五輪予選に臨むはずだったが、ボランティアとともに被災地にとどまることを決めた。

ベッカー氏はロイターの電話取材に「ピエドロに『もうできない』と言った」とコメント。「今回が自分にとって最後の五輪出場のチャンスだった。とても興奮していた。しかし、多くの命を奪い去ったのと同じように、洪水が私から夢を奪い去った」と話した。

トクテンハーゲン氏も「私たちにとって五輪は夢だったが、今は自分たちが地元を離れる姿を想像できない」と述べている。

女子競泳のビビアナ・ジュンブルト選手も、すでにオープンウオーターで五輪出場が決まっていたが辞退し、被災地での救助と復興支援を行うとソーシャルメディアで発表している。

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