「季節のない街」「やるせない怒りが湧いてくる」「クドカン、いきなりとんでもない回をぶっ込んでくる」

(C)テレビ東京

企画・監督・脚本、宮藤官九郎氏によるドラマ「季節のない街」(テレビ東京系)の第六話「プールのある家」が、10日深夜に放送された。

本作は、黒澤明監督が『どですかでん』(70)として映画化したことでも知られる山本周五郎の同名小説をベースに、舞台となる街を12年前に起きた“ナニ”の災害を経て建てられた仮設住宅のある街へと置き換え、現代の物語として再構築。街にやってきた主人公が住人たちの姿に希望を見付け、人生を再生していく姿を描いていく。(*以下、ネタバレあり)

廃品置き場の自動車の中で暮らすホームレスの親子。大卒のエリートとうわさされる父親(又吉直樹)と中学生にしては大人びた子ども(大沢一菜)は、いつも「理想の家」について語り合っている。

理想の門構え、ドアの種類、外壁や壁の色…。日課の空き缶拾いや、食べ物の施しを受けながらも、2人はいつも「ここではないどこか」を見ていた。

一方、島さん(藤井隆)の会社で働き始めたタツヤ(仲野太賀)は、「理想のカフェ」の建設に向けて熱心にプランを練っていた。だが、住民説明会の日取りが決まったある日、街で事件が起こる…。

放送終了後、SNS上には、「リッチマンのばか!やるせない怒りというか、複雑な感情が湧いてきてたまらない。トラ(皆川猿時)があんなに鳴いたのに」「切ないな。トラが一番よく分かっている」「クドカン、いきなりとんでもない回をぶっ込んでくる」「つらい回でした。ほぼ原作通りで、タイトルも一緒で、クドカンの原作へのリスペクトを感じました。山本周五郎先生すごい」「いろいろとおかしい人満載だからこそのつらさ」「リッチマン親子の結末はもちろんのこと、家族を失った半助(池松壮亮)の『死んだら意味ないじゃん!』と、兄に搾取され続けるタツヤの『放っておいてあげようよ』ってせりふに、普段は明るい2人の心の奥を垣間見たような気がして心がえぐられた」など、今回は見ていてつらかったという声が多く上がった。

また、「救われないのは原作通りなのに、寄り添ってくれたトラちゃんと町の人たち、宮藤官九郎さんに救われました。ありがとう」「救いがない。でも引きつけられる。いい作品」「住民説明会で、一番前のど真ん中に座る六ちゃん(濱田岳)だけが救いだった」など“救い”についてのコメントも目立った。

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