被災した輪島の千枚田で田植え 能登地震、一部区画修復完了

石川県輪島市の「白米千枚田」で田植えが始まり、苗を植える子どもら=11日午前

 日本海に面した急斜面の棚田の風景で知られ、能登半島地震で被災した石川県輪島市の「白米千枚田」の一部区画で11日、田植えが行われた。田んぼ全1004枚のうち、被害がないか、修復が完了した約120枚が対象となった。

 維持管理に当たる白米千枚田愛耕会と、棚田を借りている全国のオーナー会員ら約55人が参加。愛耕会のメンバーらから田植えの方法を学び、棚田の一角に苗を丁寧に植えた。

 愛耕会の白尾友一会長(60)は、支援に謝意を述べ「先は長いが、来年はもっと元気な田んぼを一枚一枚増やしていきたい」と意気込んだ。

 輪島市によると、千枚田は元日の地震で大きなひび割れが生じるなどし、水利設備を含め約8割の田んぼに被害が出た。現地確認を踏まえて当初は約60枚で田植えを予定していたが、応急復旧が想定より進み、対象が広がった。依然として多くは修復できておらず、今後も作業を続ける。

 千枚田は約4ヘクタールに小さな棚田が連なる。過去にも地滑りなどの被害に見舞われながら、復旧してきた。国の名勝に指定されている。

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