台湾、新型コロナ簡易検査キット1000万回分を無料配布、ピーク過ぎても警戒続く

台湾当局は薬剤師の全国組織と協力し、新型コロナの簡易検査キット計1000万回分の無料配布を開始した。台湾でコロナは感染のピーク時に比べて減っているが、当局は警戒を続けている。写真は台湾桃園国際空港。

台湾の衛生福利部(保健省)疾病管制署は6日、薬剤師の全国組織「中華民国薬師公会全国聯合会」(薬剤師会)と協力し、新型コロナウイルスの簡易検査キット計1000万回分の無料配布を開始した。台湾で新型コロナは感染のピーク時に比べて減っているが、当局は警戒を続けている。

台湾では新型コロナが小康状態になったことに伴い、規制が徐々に緩和された。昨年4月には医療機関や老人福祉施設などを除き、マスク着用が必要なくなった。中央流行感染症指揮センターは翌5月1日から新型コロナの位置付けを季節性のインフルエンザと同じ「第4類」に引き下げると発表。実名制による抗原検査キットの販売も4月30日で終了した。

台湾・中央通信社によると、無料配布は防疫物資の在庫に最大限の効果を発揮させるのが狙いだ。簡易検査キットは台湾全土4500軒余りの全民健康保険特約薬局で受け取れる。

疾病管制署で広報を担当する曽淑慧氏は取材に最近の国内における新型コロナ関連の死者は週平均20~30人、合併症患者は同約200人に上っていると説明。ピークは過ぎたものの、合併症の患者は依然として比較的多いとし、合併症のリスクに注意するよう呼び掛けている。

同署は今年初頭、空港や港で出入境者を対象に簡易検査キットの無料配布を実施。その後「国内で必要とする人にも無料で提供してほしい」との意見が寄せられたのを受け、今回の無料配布を決めた。

無料配布する検査キットの使用期限は最長で年末まで。同署によれば、検査キットは順次薬局に届けられており、8日以降にすべての提携薬局で提供可能になる。同署や薬剤師会によると、受け取りは1人1回につき1箱を原則とする。健康保険証などの証明書の提示は不要という。(編集/日向)

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