「龍太郎という人の晩年の仕事みたいな感じ」「日本に感じた違和感を映し出した」“親子役”田中泯&新田真剣佑インタビュー『フクロウと呼ばれた男』

田中泯 新田真剣佑 『フクロウと呼ばれた男』© 2024 Disney

Disney+(ディズニープラス)日本発「スター」のオリジナルドラマシリーズ『フクロウと呼ばれた男』(全10話)が、現在独占配信中だ。このたび、親子役で初共演を果たした田中泯と新田真剣佑の特別インタビュー映像が解禁となった。

腐りかけた国家を正す「真の正義」とは?

主人公は、あらゆるスキャンダルやセンセーショナルな事件を、時にもみ消し、時に明るみにさらして解決してきた黒幕/フィクサー、その名も“フクロウ”こと大神龍太郎。演じるのは、世界的に評価されるダンサー・舞踊家にして、俳優としても唯一無二の存在感を発揮する田中泯。そんな父親に反して、対極な生き方で「正義」を掲げる次男・大神龍を、数々のヒット作に出演し、現在は海外でも精力的に活動する新田真剣佑が演じる。二人を取り巻く家族や政治家役には、妻・大神杏子に萬田久子、長男・大神一郎に安藤政信、長女・影山弓子に長谷川京子、次女・大神理沙子に中田青渚、自由新進党幹事長・竹内創に中村雅俊、内閣総理大臣・渡辺しおりに原田美枝子、財務大臣・西條宗助に大友康平、厚生労働大臣政務官・丸山ひろしに益岡徹など実力派俳優が大集結。

本作のエグゼクティブ・プロデューサーと脚本を務めるのは、日本とアジア諸国発信のコンテンツ制作と配給を手掛けるアイコニック・ピクチャーズのデビッド・シン(『時をかける愛』)。演出を担当するのは、さまざまな作品で魅力的な人間ドラマを描いてきた、森義隆(『宇宙兄弟』『聖の青春』『パラレルワールド・ラブストーリー』)、石井裕也(『舟を編む』『月』『愛にイナズマ』)、松本優作(『Noise ノイズ』『ぜんぶ、ボクのせい』『Winny』)の3名。海外と⽇本の実⼒派クリエイター陣が⼿を組み、世界⽔準のドラマシリーズが展開される。

大神家と親交の深かった次期総理候補の息子が謎の死を遂げ、龍太郎は国家の裏側から、龍は真正面から、政界に潜む巨悪の正体へと近づいていく—。金、名声、女、権力…あらゆる欲がうごめく世界で、それぞれがたどり着いた衝撃の結末とは?騙し合いの連続に、先の読めない展開…壮大なスケールで贈るポリティカル・サスペンスがここに誕生した。

田中泯「龍太郎という人の晩年の仕事みたいな感じ」

5月8日(水)、ついに最終話を迎えた本作。SNS上では「今まで日本には無かった日本を描く重厚なドラマ」「日本でもこういうコンテンツがつくれるようになったんだ〜と関心」「面白さで言ったら話題の『SHOGUN 将軍』越えてる!」と大絶賛の声が止まらない。

そんな話題の本作で初共演を果たした田中泯と新田真剣佑は、ある事件を転機に「道筋を正す」ため暗躍するフィクサーで父親・大神龍太郎(田中泯)と、真っ向から「世を正したい」と行動する正反対の息子・大神龍(新田真剣佑)を演じる。特別インタビュー映像では、二人のキャラクターについて、初共演でのエピソード、海外脚本家とのコラボ作品としての見どころなど、作品をもっと楽しめる内容が盛り込まれている。

映像の冒頭、お互いのキャラクターについて語っている場面で一言を発した田中に対し、「まだ役が抜けていません?(笑)役の父親がそこにいるみたいです」と久しぶりの再会にしてすっかり役の間柄に戻ったような田中の様子に喜びを隠せない新田の姿が。

田中は新田との共演について「会うまではわからなかったですね。頭で考えているだけだったから、真剣佑の体が目の前に現れるまでは心動かずという感じだった」と振り返り、新田は「父とは真逆のところにいる、真実を追い続けている息子なので、そういうところを考えながら役作りに挑戦しました」と話し、お互いのキャラクターは実際に二人が対面したところで作り上げられていったことが伺える。また、新田は田中との共演について、「本当に思っていたよりも一緒のシーンがあまり多くなくて。でもその中ですごく濃い、深いシーンを共にさせていただいた。クランクアップの時にお手紙をもらったのがすごく嬉しくて。中々なかったなぁと思って。今でも大切に保管しています」と田中から思いがけないサプライズがあったことを明かし、本編では見られない仲睦まじい親子のような一面も。

近年、海外の制作陣とのコラボで日本を描く作品が増えている中、本作も日本と海外の良さを掛け合わせ、日本人スタッフとキャストだけでは表現できない壮大なスケールで描かれている。海外の制作陣との仕事は慣れているに違いない二人だけあって、本作だからこそ楽しめた“違い”について新田は、「1つの作品で日本語と英語でお芝居をすることはなかったです。(この作品が)初めてだと思います」と初めてバイリンガル役で芝居をしたことを取り上げ、田中は「彼の英語のシーンは撮影の時には見てなかったです。編集したものを見て、すごくいいなと思いましたよ。日本語のシーンと英語のシーンではやっぱり空気が違う。彼の周りの空気まで違って見える、感じる。とっても見どころだと思いました。日本のお客さんにとっては期待ではないでしょうか」と新田の新しい一面を大絶賛。

最後に、新田は「プロデューサー&脚本家が日本人ではない、僕みたいな日本で育ってこなかった立場としては、外から見た日本に感じた違和感を映し出したところがたくさんあって。そういうのは日本で育つとわからないことがきっとたくさんあるので、新しい発見もできると思いますし、サスペンスだけどどこかワクワクするような展開もたくさんありますし。ただダークな物語じゃないことを楽しんでいただけるのでは、と思います」と話し、田中は「龍太郎という人の晩年の仕事みたいな感じですね。龍太郎自身がどこかでそろそろ辞めたいと思っている物語。そこをわかってみてもらっても面白いのではないでしょうか。父親は歳をとっていく、息子は成長していく、その最中での二人や他の子どもたちとのありようがクライマックスに向かっていく。そんな目線が持てるのであれば、目にちょっと足してもらうと面白いかもしれません」と本作の見どころと共に作品を楽しみにしている方々へメッセージを送った。

裏から手を回すのか、表から振りかざすのか—。腐りかけた国家を正す「真の正義」とは?

『フクロウと呼ばれた男』はディズニープラス「スター」にて独占配信中

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