炭鉱電車を「運行展示」 熊本・荒尾市の万田坑

定期的な運行が始まった炭鉱電車=14日、荒尾市

 荒尾市の万田坑に展示されている炭鉱電車2両のうち、バッテリーで駆動する20トン車(1917年製)の定期的な運行展示が4月から始まった。毎月第2、第4日曜の午前10時半から、1時間おきに6回、20メートルほどの区間を往復する。

 炭鉱電車は三井化学(大牟田市)から荒尾市が譲り受け、昨年7月に公開が始まった。20トン車に付属する電源車に電力を供給する設備が整い、継続的な走行ができるようになった。

 14日には、観光客が見守る中、柔らかい音の警笛を鳴らし、レールの上を静かに走った。福岡県の企業が整備や運転を担当する。スタッフの谷本悠さん(29)=福岡市=は「シンプルな作りで動かすのは難しくないが、貴重な文化財なので慎重に運転したい」と話した。(大倉尚隆)

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