習近平主席、読書で培われたフランス文化への造詣

習近平主席、読書で培われたフランス文化への造詣

広東省広州市にある松園の白雲ホールで古琴の演奏を鑑賞する習近平主席(右)とマクロン大統領。(2023年4月7日撮影、広州=新華社記者/岳月偉)

 【新華社パリ5月11日】中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が新年恒例のあいさつを発表すると、国内外の読書家は執務室の本棚に並ぶ本にも関心を向ける。

 注意深い視聴者は、蔵書に相当数のフランス古典が含まれていることに気付く。習主席は以前、「私は若い頃からフランス文化に強い関心を持ち、歴史や哲学、文学、芸術に深く引き付けられてきた」と回想している。

習近平主席、読書で培われたフランス文化への造詣

1972年、農村から北京に帰省した習近平氏。(資料写真、北京=新華社配信)

 幅広い分野の本を読んできた習主席の世界観は、読書によって形作られている。国家指導者となってからは文化交流を対外交流の重要な柱とし、中国と世界各国との相互理解を力強く推進してきた。

 中仏国交樹立60周年に際し、習主席は国賓として3度目の訪仏に臨んだ。中国の指導者が東西二大文明の距離をいかにして一層縮めるのか、世界の注目が集まった。

習近平主席、読書で培われたフランス文化への造詣

フランスで1688年に初出版された「論語導読」仏語版を習近平主席に贈るマクロン大統領。(2019年3月24日撮影、パリ=新華社記者/鞠鵬)

 習主席は、共に深い文化的蓄積を備えた中仏はお互いを理解し、親しい友になれると考えている。幅広く奥深い中国文化は、国家間の交際の道も示している。

 「世界で最も広いものは海だが、海よりも広いものがある。それは空だ。空よりも広いものがある。それは人の心だ」。習主席は2014年にパリの国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部で演説した際、ビクトル・ユゴーの名言を引用した。

習近平主席、読書で培われたフランス文化への造詣

中仏文化観光年の重要イベント「紫禁城とベルサイユ宮殿-17、18世紀の中仏交流」展で展示された故宮博物院所蔵の銅鍍金殻開光人物像懐表(懐中時計)。(4月1日撮影、北京=新華社記者/金良快)

 当時ユネスコの事務局長だったイリナ・ボコバ氏は、10年たった今も演説を鮮明に覚えているといい、「今日の世界で人類はさまざまな文化、民族、肌の色、宗教、社会制度からなる世界に暮らしており、各国の人々は相手の中に自分、自分の中に相手がいるという運命共同体を形成している」と、記憶の中の言葉を口にした。

習近平主席、読書で培われたフランス文化への造詣

フランス・パリのユネスコ本部で重要演説を行う習近平氏。(2014年3月27日撮影、パリ=新華社記者/姚大偉)

 フランス元首相で憲法院院長のファビウス氏は、仏中が多国間主義と平和的発展に尽力しているとし、「世界は危機に満ちており、平和を維持し持続可能な発展を促進する力を必要としている。これは仏中両国が違いを乗り越え、共に担う重要な使命だ」と述べた。

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