【浦和L】トップ下・塩越柚歩が辿り着いた女子ACL優勝「サポーターの方々の『アジアを獲らせたい』気持ちが伝わってきました」

「自分の良さを存分に出せるポジション」

[AFCアジア女子クラブ選手権 決勝] 浦和L 2–1 仁川現代レッドエンジェルズ/5月10日18:00/浦和駒場スタジアム

「AFCアジア女子クラブ選手権・インビテーション」の決勝(正式名称『AFC Women’s Club Championship 2023–Invitational Tournament Fina』)三菱重工浦和レッズレディース (日本、WEリーグ)が清家貴子、島田芽依のゴールで、仁川現代レッドエンジェルズ(韓国)に2-1の勝利を収め、優勝を果たした。

塩越柚歩は1-1で迎えた26分、アウトスイングのコーナーキックから、島田芽依のヘッドに合わせて逆転弾をアシストした。

塩越の貢献は試合を通じて光った。チームの中心となってパスを散らし、仁川現代の強烈なプレスをかわしながらチャンスを作っていった。

「自分の役割はチームに多くのチャンスを作ること。シマ(島田芽依)や貴子(清家)へのパスをいかに多く出せるかが大事でした」

長短織り交ぜたキックに加えてスルーパスから決定機を作り出す。5271人の観客の前で、そのパフォーマンスを十分”魅せ”つけた。

なでしこジャパン(日本女子代表)として東京オリンピックに出場し、昨年には代表の主力としてアジア大会優勝に貢献したのは記憶に新しい。2016年から在籍する浦和Lでは、今季これまでリーグ19試合に出場している。

開幕当初はボランチでの起用が中心だった今季の塩越だが、今年2月、猶本光と安藤梢のケガによる長期離脱により、4-2-3-1のトップ下で起用されることが増えた。

「(トップ下は)ボールを散らすことが得意なので、自分の良さを存分に出せるポジション」と塩越は言い、リーグトップの9アシストを記録している。

アジアの頂点を懸けた一戦。男子のAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を観戦してきたが、その痺れる闘いを味わった。

「男子のACLを見た経験しかなかったので、サポーターの方々の『アジアを獲らせたい』気持ちが伝わってきました。(サポーターと)一緒に戦う、一緒に獲るという雰囲気を感じ、キックオフ前から『やらなければ』という気持ちにさせてもらいました」

WEリーグは残り2試合。連覇に向けて塩越柚歩が勝利とタイトル獲得のため、ゴールを目指す。

取材・文/佐藤亮太

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