光る漆職人の技 おもちゃ美術館 滑り台を補修【花巻】

花巻おもちゃ美術館の木製滑り台に弁柄漆を塗る職人ら

 県産木材をふんだんに使った遊具や玩具を取りそろえる花巻市上町の体験型木育施設「花巻おもちゃ美術館」(玉山恵館長)は、7月の開館4周年に向け、人気遊具の漆塗り滑り台をリニューアルする。漆工芸の次代を担う県内の職人が集まり、滑り面に漆を塗る作業を進めている。

 自然の雄大さを表現したという子ども専用の「岩手の山のすべり台」は、2021年の開館1周年に合わせて2台設置され、同館の呼び物の一つとなっている。約3年間の使用で幅50センチ、長さ180センチの滑り面に傷が付くなど劣化したことから、漆工職人の技術協力を受けて新調、補修する。

 7月のリニューアルを目指して4月から複数回の作業が行われており、10日は20~50代の職人5人が、同美術館を運営する同市花城町の小友木材店で新しい滑り面に漆を塗った。漆のりを使って寒冷紗を張り、その上から漆を5、6回重ね塗りする工程で、表面は浄法寺漆で「黒」「朱」「溜」などの色に仕上げる。子どもたちに長く遊んでもらうため、滑り出し部分には同市の成島和紙を貼り付けて強度を高める。

© 岩手日日新聞社