<HIGH END>TAD、旗艦スピーカー「R1TX」の“進化版”披露/NAGAOKA、漆塗りスタビライザーなど

5月9日(木)よりドイツで開催されている「ミュンヘン・ハイエンド2024」。ここではTAD、NAGAOKA、ヴァイナルオーディオ研究所のブースを紹介する。

TADが旗艦スピーカーの仕上げと足元を強化

テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、ミュンヘン・ハイエンド2024にて、同社のフラグシップスピーカー「TAD-R1TX」の細部をさらにチューンアップした限定モデルを初披露した(型番未定)。

「TAD-R1TX」の限定モデルを中心に展開

2019年に発表された「TAD-R1TX」はアジアを含む世界市場においても非常に評価が高いモデルだ。今回の進化版は、スピーカー開発のキーパーソンである長谷氏が「さらに音質を追い込むためにはどうすれば良いか」を考えて生み出したものという。

ボトムプレートが3層構造と強化されている

外観上の多いな違いとしては、キャビネットカラーが深みのあるブルーに変更されているほか、ボトムプレートを強化。薄型だったプレートを、真ん中が金色の3層構造に変更することで土台を安定させている。加えてスパイク&スパイク受けも新たに用意し、さらなる振動対策が施されている。

限定モデル専用のスパイクユニット。オプションとしての販売も検討しているとのこと

会場では、先般発表されたプリアンプ「TAD-C700」を加えた“Referenceシリーズ”を主力に展開。海外営業担当の大倉氏も、「昨年はEvolutionシリーズの完結をみなさまにお披露目しましたので、今年は改めてトップグレード、Referenceシリーズの魅力を伝えていきたいと考えています」と語ってくれた。

完結したEvolutionシリーズも展開する

日本文化の豊かさをレコード文化と合わせて世界に展開

NAGAOKAは、美しい漆塗りで知られる「山田平安堂」とコラボレーションしたスタビライザーとEPアダプターを初披露。いずれも漆職人がひとつひとつ手作業で仕上げる“一点もの”となっており、龍のヒゲなど繊細な仕上げには驚くばかり。NAGAOKA社長の長岡香江さんも、「日本文化の豊かさとアナログ文化の楽しさ、うまく連携させてその魅力を世界に訴えていきたいです」と意気込みを見せる。

漆塗りの仕上げも美しいレコードスタビライザー

また、モノラル専用カートリッジ「MP-MONO」も披露。「最近はモノラルの復刻レコードも増えていますよね。ですが、過去のレコードと現代の復刻モデルでは溝の深さが違うこともあり、現代のレコードに合わせたモノラルカートリッジが必要と考えて開発しました。やはり、モノラル専用ですと音場がビシリと決まりますよ!」とのこと。

モノラル専用カートリッジ「MP-MONO」

クリーニングアイテムについても、国内外を問わず注目が高いという。特に細さ0.01mmの毛を約12万本まとめたウルトラファインブラシ「WCL222」は、サラサラした手触りが気持ちいい。レコードの“水洗い”にも活用でき、細かい音溝までブラシで洗浄できると、SNSを中心に大きな反響が得られているという。

クリーニングアイテムも世界で人気

マニアだからこその深い関係性の構築も

昨年スタートアップエリアにて初参加したヴァイナルオーディオ研究所(Vinyl Audio Laboratory)は、ハイエンドホーンスピーカーとして知られる「ゴトウユニット」を展開するAmitechs社と共同出展。昨年出展した際にできた縁をもとに、ショウの数日前からヨーロッパ入りし、各地で試聴会を実施。大きな手応えを得たという。

ヴァイナルオーディオ研究所も日本発のカートリッジブランドとして世界展開に力を入れる

Amitechsの川北さんによると、ゴトウユニットも海外の“自作マニア”の口コミにより、ファンがじわじわと増えているという。「ゴトウユニットを購入されたお客さんが新しいお客さんを紹介してくれる、という流れで、ドイツやフランス、香港などのユーザーさんから引き合いをいただいております」とのこと。マニア同士だからこその深い関係性が構築できるのも、ミュンヘンならではの楽しさだ。

ゴトウユニットのトゥイーターも展示
マニアの「口コミ」でファンが広がるゴトウユニット

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