JEEP ラングラーを一部改良。ラインナップを充実させ、車両価格を値下げ

2024年5月10日、ステランティス ジャパンはJEEPブランドの本格オフローダー「ラングラー(Wrangler)」を一部改良して発売。エントリーグレードや限定モデルも設定してラインナップを充実させながら、車両価格は引き下げられている。(タイトル写真はイメージです)

日本でいちばん売れているJEEP車は、ラングラー

限定車の「アンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ」を前にプレゼンテーションを行う、ステランティス ジャパンの打越 晋 代表取締役社長。

ステランティス ジャパンがプロデュースするJEEPブランドは、日本市場で好調だ。2023年は前年比117.9%の1万1174台を販売し、純輸入車では7位。

中でもラングラーはヘビーデューティな本格オフローダーであるにもかかわらず、JEEP車でNo.1の4078台を販売。これは世界的に見ても、アメリカ本国ーカナダー中国に次ぐ第4位の台数だ。しかも中国は4402台だったから、その差はわずか。2024年は北米を除いて1位、そして日本のミッドサイズSUV輸入車の1位返り咲き(2020・21年は1位、2022年は2位、2023年は3位)を目指している。

そんなラングラーが、一部改良された。ラインナップはアンリミテッド ルビコン(以下、ルビコン)とアンリミテッド サハラ(以下、サハラ)に、エントリーグレードの「アンリミテッド スポーツ(以下、スポーツ)」が加わり、3グレード構成となった。

ラングラーのエントリーグレードとして設定された「アンリミテッド スポーツ」。

12ウエイパワーシートを初採用

外観では、伝統の7スロットグリルをデザイン変更。新しいブラックテクスチャーとなり、高さが若干減らされているが、冷却性能は向上している。

300台限定の「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」。

スポーツとルビコンではニュートラルグレーメタリック、サハラではプラチナシルバーのグリルサラウンドを採用した。また、従来のマスト(ロッド)アンテナではオフロード走行時に小枝に引っかかったりするため、フロントウインドーにアンテナをビルトイン。従来のアンテナベースの位置には「トレイルレーテッド」バッジが装着された。

インテリアはブラック基調となり、サハラとルビコンは12ウエイのパワーシートをラングラーとして初採用。安全装備では前後サイドカーテンエアバッグを全グレードに標準装備。インフォテインメントではスマートフォンにワイヤレスで接続可能な12.3インチのタッチスクリーン(ディスプレイオーディオ)を全グレードに標準装備する。

2Lの直4ターボエンジンに8速ATを組み合わせるパワートレーンなどに変更はないが、ルビコンにはフルフロート リアアクスルを新たに搭載し、従来のセミフロートより強固で堅牢な構造で最大牽引能力を向上している。

アンリミテッド スポーツ:799万円
アンリミテッド サハラ:839万円
アンリミテッド ルビコン:889万円

エントリーグレードのスポーツは800万円を切る車両価格だが、安全&快適装備は前述のように必要十分なレベルにある。サハラは従来型から31万円値下げされ、装備を考慮すれば約40万円お買い得となった。ルビコンも16万円値下げされ、装備を考慮すれば約55万円お買い得となっている。

さらに、新型ラングラーの発表を記念して、ビビッドなイエローのボディカラーをまとった「アンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ(10台限定、899万円<税込>)」および特別色のアンヴィルC/Cにデカールなどを特別装備した「アンリミテッド サハラ ローンチエディション(300台限定、849万円<税込>)」も発売された。

なお、PHEVのラングラー 4xeの日本仕様は在庫限りで販売終了となる。

新型ラングラーの発表を記念して、さまざまな特別イベントを開催

メディア向け発表会では、JEEPオーナー(かつてはラングラー、現在はグランドチェロキー)であるトータルテンボスの藤田憲右さんもトークショーに登場して、JEEPの魅力を語った。

ラングラーの平均購入年齢は43歳。これは、他の国産/輸入SUVの購入者に比べて4歳以上若い。ちなみに国産SUV全体では52歳だそうだ。しかも最近では、18〜27歳の「Z世代」からの支持が高まっているという。そこでステランティス ジャパンでは、現在の「アウトドア/キャンプ好き」といった顧客層から、「トレンドに敏感で、芸術、文化、ファッション、音楽、スポーツ好き。アクティブ思考でエイジレス」といったファン層の拡大を図っている。

そういった背景もあってか、今回、新型ラングラーのメディア向け発表会が行われたのは、文化とファッションの発信地といわれる渋谷の、MIYASHITA PARK 4階 芝生広場。発表会後には抽選に応募した一般のJEEPファンに向けてもお披露目され、2024年5月11日(土)・12日(日)には期間限定のスケートパークを設置して、スケートボードカルチャーに向けたイベントを展開する。

さらに、5月18日(土)・19日(日)にはJEEP正規ディーラーでデビューフェアを開催。5月26日(日)には神戸ハーバーランド高浜岸壁で開催される「レッドブル フライトデイ」会場で体験試乗会を実施。6月28日(金)〜30日(日)に幕張メッセで開催される「東京アウトとドアショー2024」には新型ラングラーを展示するなど、さまざまな特別イベントを展開する。

「FAMOUS for FREEDOM=自分を楽しむために、人生はある。」をテーマに、新型ラングラーを軸にJEEP ブランドを展開するステランティス ジャパン。2024年は、ラングラーをはじめとするJEEP車を見かける機会が増えるかもしれない。

写真左から、渡邊由紀 JEEPプロダクトマネージャー、トータルテンボスの藤田憲右さん、打越 晋 代表取締役社長、新海宏樹 JEEPブランドマネージャー。

●全長×全幅×全高:4870×1895×1845mm
●ホイールベース:3010mm
●車両重量:1990kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1995cc
●最高出力:200kW(272ps)/5250rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kgm)/3000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・81L
●WLTCモード燃費:9.8km/L
●タイヤサイズ:245/75R17
●車両価格(税込):799万円

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