「最悪のシナリオ」は免れたが… 吉田正尚、左手親指の手術回避も出場機会減は不可避か「あらゆる兆候が示している」と米報道

米国内メディアが、ボストン・レッドソックスの吉田正尚の現状を伝えている。左手親指を痛め負傷者リスト入りとなっていた吉田について、今後、手術は行わず調整を続けていくとスポーツサイト『Fastball』が報じた。

同メディアは現地時間5月10日、「マサタカ・ヨシダ、左手親指の手術を回避」と銘打ったトピックを配信。その中では、「この日本人外野手は最悪のシナリオは免れたようだ」と綴られている。

また当初、アレックス・コーラ監督が吉田の手術の可能性を示唆していたとしながらも、「セカンド・オピニオン、サード・オピニオンの結果、ヨシダにメスを入れる必要はないようだ」などと経緯を説明している。

吉田は先月28日、先発出場したシカゴ・カブス戦で第2打席後、左手親指を痛めたことでベンチに退き、今月1日に10日間のIL入りとなったことが発表されていた。

治療に関しては、手術の必要性はないとの結論となったものの、同メディアは「復帰の準備は整っていない」と指摘。戦列に戻るまでにはまだ時間を要する他、「ヨシダにはすでにロースター復帰の資格があるが、たとえ手術がなかったとしても、さらなる出場機会を逃す可能性があることをあらゆる兆候が示している」と主張する。

その理由として、今季の吉田の起用法を振り返っており、「コーラ監督は2024年シーズンの開幕にヨシダを指名打者に据えたが、ロブ・レフスナイダーとタイラー・オニールが故障者リストから復帰すると、守備力が平均以下で先発出場が危ぶまれた」と記している。

開幕後も吉田は指名打者として先発出場を続けていたものの、4月中旬以降ではその機会が激減。守備面の課題も叫ばれていたものの、不可解ともとれる起用法も話題となっていた。4月27日のカブス戦で6試合ぶりにスタメンに名を連ねるも、その翌日には、負傷に見舞われている。

同メディアは、「レッドソックスには、彼がいなくてもやっていけるだけの打線と外野のオプションがあるとはいえ、2024年のスタートがヨシダにとって予定通りでなかったことは確かである」などと、現状への見解を示している。

立て続けの苦難に直面している、吉田のメジャー2シーズン目の戦いは、再び先発ラインナップにその名が記されるまで、茨の道のりが続くのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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