大谷翔平もお手上げ状態だった!? パドレス先発右腕が偉才を仕留めた”20インチ”のエグい変化に米記者愕然「反則だろ!」

偉才に思わぬ天敵が出現した。

現地5月10日、ロサンゼルス・ドジャースはサンディエゴ・パドレスと対戦し、9回裏1死二塁でサヨナラ適時打を許し、1対2で敗北。チームの連勝は7でストップした。「2番・指名打者」で先発出場した大谷翔平は8回の第4打席に2番手で登板した松井裕樹から左中間を破る痛烈二塁打を打つなど、4打数2安打。3試合ぶりのマルチ安打を記録した。

試合は両軍の先発投手が7回までに二桁奪三振をマークする緊迫した投手戦となった。ドジャースのタイラー・グラスノーは7回を投げて、1安打10奪三振2四球1失点。それも、4回にルイス・カンプサノに許した先制ソロ弾のみの力投。一方、パドレスのマイケル・キングも負けない快投を見せた。7回を11奪三振3四球無失点の好投で、許した2安打のうち1本は3回に大谷に打たれた左安打だった。

MLB記者のサラ・ラングス氏によると、両軍の投手がともに6イニング以上を投げて2安打以下に抑え、10奪三振以上を記録したのはメジャーの歴史上で過去2例あるとX(旧ツイッター)に記したうえで、「ともに7回以上を投げて10奪三振以上は、1901年以降では史上初のデュオだ」と報告。まさに手に汗握る白熱の投手戦だったと力説した。
さすがの大谷も、この日のキングには手を焼いた。初回の第1打席、初球のチェンジアップを空振り、2球目は見逃してボール。再びチェンジアップでストライクを奪われ、カウント1-2と追い込まれると、最後はシンカーで空振り三振。第2打席は大谷に軍配が上がったが、3度目の対戦となった6回走者なしの場面では外角低めのチェンジアップに手を出し、ボテボテの一ゴロ。昨季までニューヨーク・ヤンキースに在籍していた好投手との結果は、3打数1安打1三振に終わった。

2人の対決には、現地記者も興味を注いでいた。米ポッドキャスト番組『Baseball vs the World』のホストを務めるハビエル・レイエス氏は、キングの立ち上がりのピッチングに脱帽。大谷から三振を奪ったシンカー、フリーマンの内角にズバッと決まった95.3マイル(約153.3キロ)のフォーシームに目が釘付けになり、「ショウヘイ・オオタニと、フレディ・フリーマンに投じたボールなんて、もう反則だろ!」と指摘したほど、緩急をつけた投球に驚きの声を上げた。

米投球分析家のロブ・フリードマン氏によると、キングが大谷を三振に仕留めたシンカーの変化は20インチだったと報告。パドレスの地元メディア『SDnews』のクラーク・ファーレンソルト記者も、同投手が投じたエグい変化に注目。「キングのシンカーは平均20インチを記録する水平ブレイク。これは2024年のシーズン平均より5インチ多い」と紹介。球界のスーパースターから空振りを奪った一撃必殺のボールが、いかに魔球であったかを強調している。

メジャーの猛者たちと連日対戦する大谷。弱肉強食の世界でドジャースの背番号17は打率.359、56安打、15二塁打、OPS1.106で、メジャートップのハイスタッツをキープ。本塁打は1本差の2位(11本)につけ、初のナショナル・リーグでも唯一無二の存在感を放っている。

構成●THE DIGEST編集部

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