【MLB】歴史的投手戦の中、大谷翔平はマルチ安打で首位打者キープ 昨年見せた「投手・大谷」の12K快投ぶりにも再脚光

ドジャース大谷翔平投手は10日(日本時間11日)、敵地でのパドレス戦に「2番DH」で先発出場。4打数2安打で3試合ぶりのマルチ安打をマークした。チームは1-2でサヨナラ負けを喫した。

◆大谷翔平、二塁打量産で“ゴジラ超え”の再現なるか 驚異の年間ペース「60.75」日本選手最多は射程圏内

■松井から左中間を破る二塁打

第1打席は空振り三振に倒れた大谷だったが、第2打席で左前に落とし、3試合11打席ぶりの安打を放った。第3打席は一ゴロ。0-1で迎えた8回無死一塁の第4打席は、松井裕樹投手との“日本人対決”を制し、左中間を破る二塁打をマーク。無死二、三塁とチャンスを広げ、続くフレディ・フリーマン内野手の同点犠飛につなげた。

試合は9回1死二塁、ルイス・アラエス内野手がドジャース3番手マイケル・グローブ投手からサヨナラの中前打を放ち、決着。ドジャースの連勝は7でストップした。大谷は4打数2安打と気を吐き、打率.359でメジャー全体トップを維持した。

ただ、この日はパドレス先発マイケル・キング投手の無双ぶりが際立った。ツーシーム、チェンジアップなどを武器に7回2安打11奪三振と付け入る隙を与えなかった。強力ドジャース打線から11三振以上を奪うのは、昨年6月21日にエンゼルス時代の大谷が12奪三振の快投を演じて以来の快挙だった。

ロサンゼルス・エンゼルス時代の大谷翔平(C)Getty Images

■フリーマン「相手をほめるしかない」

8回に犠飛を放ったフリーマンは試合後、「野手としては相手投手をあまり称えたくはないが、今日は称賛するしかないだろう。内角へのシンカー、フォーシームをはじめ、フロントドアのチェンジアップなど内外角に思うように投げ分けていた」と話した。

デーブ・ロバーツ監督も「今日はプレーオフの雰囲気のようだった。その中でキングは間違いなく今年最高の投球をしたと思う。これ以上の内容は想像できない。我々はなす術がなかった」とし、相手先発右腕に脱帽した。

一方、ドジャースの先発タイラー・グラスノー投手も7回1安打10奪三振の好投。その1安打がルイス・カンプサーノ捕手に喫したソロ本塁打だったことは痛恨だが、それ以外はまさに完璧。今季の奪三振数は73に積み上がり、メジャー全体でトップに立っている。

MLB公式のサラ・ラングス記者によると、両チームの先発が「7イニング以上投げて、10奪三振以上で被安打2以下」を記録するのは、1900年以降初めてだという。

歴史的投手戦が展開される中、ドジャースが放った4安打はすべてムーキー・ベッツ内野手、大谷、フリーマンのMVPトリオでマークしたもの。改めて上位3人の底力が証明された1戦だったとも言える。

◆マルチ安打で打率.359、首位打者キープ ドジャース・大谷翔平 2024年シーズン 打者成績

◆「.219→.370」苦手を次々と克服していく大谷翔平、今季の“球種別打率”は?

© 株式会社Neo Sports