『アンメット』原作漫画家・大槻閑人からコメント到着!「自分が描いた漫画をこれだけ上質なドラマにしてもらえたことは素直にうれしい」

『アンメット ある脳外科医の日記』の原作漫画家・大槻閑人さんのコメントが到着しました。

杉咲花さん主演の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(5月13日/カンテレ・フジテレビ系)が放送されます。

本作は、“記憶障害の脳外科医”という主人公が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマです。

元脳外科医の子鹿ゆずるさんとともに、『アンメット』を生み出した漫画家・大槻閑人さんのコメントを紹介します。

大槻閑人さん プロフィル

第73回ちばてつや賞一般部門準大賞。代表作は『アイターン』。漫画を担当する『アンメット―ある脳外科医の日記—』が『モーニング』(講談社)で連載中。

『アンメット ある脳外科医の日記』第5話は、5月13日(月)22時より、カンテレ・フジテレビ系で放送されます。

<大槻閑人 コメント> <大槻閑人 コメント>

ーーここまでの放送を見た印象は?

すごく上質なドラマ、その一言に尽きると思います。

昨今の日本のドラマは、もっとわかりやすくライトなものが受け入れられやすいのかなと思っていました。SNSに寄せられたコメントを読むと、後遺症の恐さや登場人物たちの複雑な心情など、原作で大切にしてきたことは、視聴者の方たちにきちんと伝わっていて『アンメット』の世界が受け入れられたことがとてもうれしかったです。

そこには、医療のリアリティを追求する制作スタッフの本気とキャストのみなさんの素晴らしいお芝居があり、なかでも、杉咲花さんと若葉竜也さんのお芝居からは、僕も毎回、目が離せないです。

第1話は、出版社の担当編集さんをはじめ8~9人で見ました。屋上でミヤビ(杉咲)が「今日が明日につながらない」と三瓶(若葉)に苦しい胸の内を吐露する場面では、作者として2人の過去を知っているからこそ、そこに言葉以上のものを感じて、人目もはばからずボロボロ泣いてしまいました。

その後、残されたミヤビが1人で泣くシーンも、医者でいたいけれどいられないミヤビの気持ちがひしひしと伝わってきて、杉咲さんが神々しく見えるほど素晴らしいシーンでした。

正直に言うと、ドラマ化のお話をいただいた当初は、実写化することで原作をもっと多くの人に知ってもらえたら…というくらいの気持ちでした。

僕としては、ドラマと漫画は完全に別もので、スタッフの方たちが真摯(しんし)に向き合ってドラマを作った結果、それが世間からの評価を得られなくても、僕が心血注いで描いた漫画が傷つくわけではないと思っているんです。

それでもやはり、自分が描いた漫画をこれだけ上質なドラマにしてもらえたことは素直にうれしいですし、反響も大きくて驚いています。

ーー撮影現場を見学した際は、キャストとどんな話をしましたか?

偶然にも、僕がここ1~2年の間に見た映画は、若葉さんが出演されている作品が多かったので、現場ではドキドキしながら若葉さんに声をかけました。

クールな方だと思っていたのですが、とてもフランクに話してくださり、そのギャップにやられてすっかりファンになってしまいました(笑)。

若葉さんは、原作の三瓶の表情をとても熱心に研究してくださっているようでした。

例えば、患者さんにとってすごくつらい宣告をしなければならないとき、三瓶は冷たい顔をするのですが、それはあえて、きついときほど機械的に、ロボットのように振る舞うという感覚で描いています。

若葉さんはそういった細かい描写にも理解が及んでいるようで「たまに三瓶がすごく恐い顔をするんですが、あれはどういう気持ちなんですかね」と質問してくれました。

とっさのことで、どの場面を指しているのか聞き返す余裕がなく、すごくあいまいな返事をしてしまったことが心残りなのですが、その質問を聞いて、一見表情が乏しいようで、実は多彩な表情を持つ三瓶をすごく研究されているんだなと感じました。

――連載開始当初、それぞれのキャラクターの容姿はどのように決めたのでしょうか?

原作の主人公である三瓶は、いくつもの案を出しました。

まず内面を決めようということになり、ワーカホリックでコミュニケーション能力が低め…じゃあ、髪型はあまり気にしないだろうということでボサボサ頭になって、仕事以外のことでは楽でいたいんじゃないかと、ズボンのすそを少しまくってサンダルに。仕事ざんまいなので、目元は疲れた感じで猫背。そういった理屈的なところから固めていきました。

対する星前(千葉雄大)は、髪をしっかりセットして、エリート意識を持っている男。言ってみれば、2人を雑草とエリートのような対比にしました。

連載開始当初、僕は原作の子鹿(ゆずる)先生の思いや書きたいものが、そこまで明確に理解できていなかったんです。

それが、作品が進むにつれて、僕自身も患者さんに感情移入するようになって、表情や心の痛みの解像度が徐々に高まってきたなと感じています。

とにかくリアリティを大事に、漫画なので何でもできてしまうのですが、決してリアリティラインを壊さず「これじゃ漫画だよ」と言われないようにしようと思って描いています。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

今まで、あまり原作ファンの方の声を聞く機会がなかったのですが、ドラマの放送後、「ドラマも面白いけど、漫画も面白いよ」とSNSに投稿してくださっている読者が想像以上にたくさんいて驚きました。

そういった生の声を聞いたのが初めてだったので、こんなにたくさんの人たちが原作を読んで支持してくれていたんだと、感動で胸が震えました。

僕は長いこと『コウノドリ』の鈴ノ木ユウ先生のアシスタントをしていて、そのときに自分には医療ものは描けない、プレッシャーが恐くて無理だと思っていたんです。

それが、ご縁あって医療もののお話をいただき、僕には無理だなと思っていたら「原作者は、元脳外科医の先生ですよ」と言われて、それならできるかも!と。

以来、子鹿先生に甘えっぱなしで描いています。担当編集者さんと狭い部屋でタバコを吸いながら「いつかドラマになるといいね」なんて夢を語ったこともありますし、それが今現実になって、本当に幸せです。ドラマを100%楽しんだあと、気が向いたら原作の漫画もぜひ読んでみてください(笑)。

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