静岡地区に18年ぶりの新車両「315系」を6月1日から順次投入へ 快適性や安全性を追求 JR東海

JR東海は、2024年6月1日から、在来線通勤型電車「315系」を静岡地区に順次走らせる予定です。静岡地区では18年ぶりの新車両投入で、JR東海の発足当時から走っていた211系は2024年度末までに静岡地区から姿を消すことになります。

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在来線通勤型電車315系は、2022年3月名古屋地区でデビューしました。車いす用のスペースが1両1両、すべての車両にあり、床の高さを低くし、乗降口の床を傾斜することでホームとの段差を縮小するなどバリアフリー設備が充実しています。

車両内には防犯カメラを導入、通報装置の数も増やし、近年、列車内で相次ぐ殺傷事件や暴行行為にも対応します。また、従来の車両より天井が高く開放感があったり、赤外線・紫外線を99%カットするガラスを採用、さらにAIを活用した冷房装置など、快適性がアップしています。

2024年6月から静岡地区でも走ることになる315系は、まもなく報道陣に公開されるほか、5月19日には、JR東海の「さわやかウォーキング」でも展示すると告知されています。

ここで静岡地区の在来線車両の歴史を少し振り返ります。この20年で大きく変化しました。

名古屋地区への315系デビューに伴う2年前のダイヤ改正時には、中央線で乗車券とは別料金が必要な「セントラルライナー」として活躍していた特別仕様の313系8000番台が静岡県内の東海道線などに移り、走り始めました。座席を進行へ向けることができるクロスシートで快適性がアップしましたが、その分、立ち席スペースが狭く、静岡近郊のラッシュ時には向かない面もあります。

313系の一般的なタイプは、これまでJR東海の代表的な車両として名古屋・静岡地区で活躍してきました。静岡ではほとんどの列車がロングシート仕様でした。

2024年度末で姿を消す予定の211系もロングシートで、ある程度の人口規模の街が続く静岡近郊の短距離利用を考慮した車内設備でした。

313系が増備された2007年春に引退したのが、お茶とミカンの色をまとった国鉄時代からの車両、113系や115系でした。1980年代後半には「するがシャトル」として走った119系電車もありました。

いよいよ静岡地区でも走り出す新車両の315系。いまの時代に合った車両で新たな歴史を刻みます。

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