「自民党は解党以外にない」安倍元首相、参院選で100万円手渡し報道…官房機密費が使われた可能性に批判殺到

自民党安倍派の政治資金パーティー裏金事件をめぐり、故・安倍晋三元首相への評価が逆転しかねない報道が飛び出した。

5月9日、「中国新聞デジタル」が、2013年7月の参院選で、安倍氏が東日本の選挙区で争う同党公認候補に現金100万円を渡していた疑いがあると報じた。

匿名を条件に中国新聞の取材に応じたこの候補者によると、安倍氏が応援演説に入った当日、個室で面会。安倍氏から渡された茶封筒のなかに現金100万円入りの白い封筒が入っていたという。

同紙は、複数の元政権幹部の見方として、使途が公表されない内閣官房報償費(機密費)が使われた可能性を指摘。安倍氏、候補者が関係する政治団体の収支報告書にはいずれも100万円の記載はなく、時効が成立しているとはいえ、政治資金規正法違反(不記載)などにあたる可能性もある、報じている。

弁護士の紀藤正樹氏は、同日、記事を自身の「X」に貼り付けたうえで、こう書き込んだ。

《官房機密費は政府の施策の円滑な遂行を目的として認められるものでこれを党勢拡大という選挙のために使用するのは目的外使用で背任や横領にもあたりかねない。政府は調査すべき》

官房機密費の毎年の予算額は約12億円。そのうち領収書不要で官房長官の判断で使うことができる「政策推進費」は約11億円だ。原資は税金で、あくまで内閣が施策を円滑かつ効果的に進めるための経費だ。それを選挙で使ったとなれば、政府与党が圧倒的に有利になってしまう。

問題はそれだけではない。

「安倍派の政治資金パーティー裏金事件では、議員への裏金還流を知った安倍氏が、2022年4月、還流の中止を指示したとされています。しかし、安倍氏自身が裏金を配っていたとなれば、見方は変わってきます。

2020年12月、『桜を見る会』前夜祭をめぐり、政治資金収支報告書に約3022万円の収支を記載しなかったとして、安倍氏の公設第一秘書が略式起訴されています。

2021年11月に派閥会長となった安倍氏は、あくまでほとぼりが冷めるまで、裏金の還流の中止を指示しただけではないかとの疑念も生まれます」(政治担当記者)

安倍氏自身が官房機密費から裏金を渡した可能性があることに、Xでは批判的な声が殺到している。

《いろんなところからの札びらで顔ひっぱたいてどうだとばかり毎回やってたわけだから、安倍は選挙に強かったわけだ。こんな金で買った票で当選した自民党議員に正当性あるのか?》

《モラル皆無の自民党はバレなきゃ何でもありなので官房機密費も政党助成金も廃止にして下さい》

《官房機密費は税金ですよ こんな私的利用は法律違反です 自民党議員は全員辞職するべきです 自民党は解党する以外ないですね》

官房機密費のうち、安倍政権7年8カ月で使った「政策推進費」は86億8000万円。二階俊博元幹事長が党から5年で受け取った政策活動費50億円の問題もある。

政治資金規正法改正に向け、自民党が後ろ向きな姿勢を続けるようでは、国民の怒りが爆発しかねない。

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