「フォレスト・ガンプのようにひたすら走るだけ」とゲームへのアプローチを話すカーディナルスRBベンソン

アリゾナ・カーディナルス【NFL】

現代フィクション史上最も偉大なカレッジフットボール選手の1人とされるアラバマ大学のオール・アメリカン、フォレスト・ガンプはシンプルな哲学を持っていた。それは“走れ”だ。

アリゾナ・カーディナルスの才能あるルーキーの1人、ランニングバック(RB)トレイ・ベンソンはセカンドレベルに達したときに、このアプローチを採用している。

現地10日(金)に実施されたルーキーミニキャンプの場で、ベンソンは次のように語った。「俺がセカンドレベルに達すると、チームメイトは俺のことをよくフォレスト・ガンプって呼んだんだ。だから、フォレスト・ガンプのことばかり考えている。セカンドレベルに達したら、フォレスト・ガンプだ。捕まるな。ただひたすらに走れ。ゴールポストに頭をぶつけるんだ、ってね」

ベンソンは“アラバマ州グリーンボウ” (ガンプの故郷とされる架空の町)出身ではなく、ミシシッピ州グリーンビル出身だ。

その地でベンソンはガンプと同じように、自分の足を使って州を渡り歩いた。

ミシシッピ州からオレゴン州に移り大学生活をスタートさせたベンソンは、その後にフロリダ州立大学へ向かい、センセーショナルな2シーズンをプレー。今は西部のアリゾナ州に戻り、直線的なランゲームに逃げ足の速い脅威を加えようと意気込んでいる。

カーディナルスのフィジカルなランオフェンスに加わることについて聞かれたベンソンは、こう答えた。「ボールを走らせること、それ以上のことは言えない。とにかくランニングバックにボールを渡すんだ。そうすれば、俺たちがフィールド上で何でもやる。俺たちはいわばマルチプレーヤーだ。ブロックもするし、パスプロテクションもするし、レシーブもするし、ランもする。間違いなく、このオフェンスが楽しみだ」

カーディナルスがベンソンの加入を心待ちにしているのは確かだ。ベテランで第1ダウン更新を量産するRBジェームズ・コナーが1番手の座を譲るときが来たら、ベンソンはその後継者になることが予想されている。ドラフト3巡目指名のベンソンは、カロライナ・パンサーズに2巡目で指名されたジョナソン・ブルックスに次ぎ、ドラフトで2番目に選ばれたランニングバックだ。

俊足のガンプに匹敵する速さを持つベンソンはNFLスカウティングコンバインの40ヤード走で4.39秒をマーク。フロリダ州立大学において、ベンソンはキャリー平均6.31ヤードという驚異的な成績を残し、1,896ランヤード、タッチダウン23回を記録した。

オレゴン大学に在籍していた2020年に負った膝の大ケガを克服したベンソンは、今に至るまで、まるで逆風の中を駆け抜けてきたかのようだった。この偉業に加えて、ベンソンはさらなる飛躍を目指している。

ドラフト指名について、ベンソンは「いつかは起こることだと思っていた。ただ神を信じ、頭を下げて仕事に取り組んだ。この2、3年、俺は長い道のりを歩んできた。俺はミシシッピ出身だから、ミシシッピから出るのは難しいんだ」とコメント。

ベンソンはカーディナルスに指名されたルーキー12人のうちの1人だった。2巡目指名のコーナーバック(CB)マックス・メルトンがグッチのベルトについて哲学的に語ったり、3巡目指名のタイトエンド(TE)ティップ・レイマンがルーキーキャンプに陶芸用のろくろを持参したり、若干20歳のベンソンが、本人が生まれる10年近く前に公開されたアカデミー賞受賞映画に言及したりと、これまでのところ興味深い面々だ。

偉大なるガンプのように、ベンソンも自分のクリーツが成功へと導いてくれることを願っている。そして何よりも、ただひたすらに走り続けたいと思っている。

【KO】

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