スーパーミドルの応酬、GKの一発退場、主審に猛抗議 激動のFC東京×柏は3-3ドロー決着

松木が鮮烈弾もドロー決着【写真:徳原隆元】

FC東京は一時3-1とリードするも、その後追い付かれる

J1リーグは5月11日に第13節を各地で行い、味の素スタジアムでは4位のFC東京と14位の柏レイソルが対戦した。試合は3-3の引き分けに終わっている。

試合前にはU-23日本代表としてU-23アジアカップを優勝し、パリ五輪の出場権を獲得したFC東京のMF松木玖生、FW荒木遼太郎、GK野澤大志ブランドン、柏のFW細谷真大、DF関根大輝への花束贈呈が行われた。

2連敗中で3試合未勝利の柏は、立ち上がりからアグレッシブに攻める。前半2分には自陣で不用意にボールを持ったFC東京のMF仲川輝人にプレスをかけてボールを奪うと、こぼれ球をFWマテウス・サヴィオがワンタッチシュートでゴールに流し込み、先制ゴールを挙げた。

早い時間帯に先制されたFC東京だが、すぐに反撃に転じる。前半6分にはショートコーナーを受けたFW俵積田晃太がドリブルからクロスを上げる。DFエンリケ・トレヴィザンがヘディングで合わせたが、このシュートはGK松本健太に防がれる。それでも、こぼれ球に詰めていた仲川がヘッドで押し込み、試合を振り出しに戻した。

早い時間帯に両チームが点を取り合ったが、その後は互いにチャンスを作りながらも、点を取れない時間が続く。そうしたなかで前半30分、FC東京は左サイドから崩しにかかり、DFバングーナガンデ佳史扶のグラウンダーの折り返しに、FW安斎颯馬が走り込む。エリア内で安斎がDFジエゴに倒されてPKを獲得。このPKをFWディエゴ・オリヴェイラがGK松本の逆に決めてFC東京が前半のうちに逆転した。さらにFC東京は同37分にもコーナーキックのこぼれ球を松木が左足のボレーでゴールに叩き込み、リードを2点に広げた。

しかし前半アディショナルタイム、ペナルティエリア外でDF森重真人が細谷にプレスをかけられてボールを失われると、GK波多野豪がスライディングタックルで細谷を倒す。このプレーで波多野は一発退場となり、FC東京は仲川を下げ、今季初出場となるGK児玉剛を投入した。

ハーフタイムに柏はMF土屋巧とFW小谷松知哉を下げてMF戸嶋祥郎とFW木下康介を投入する。そして後半開始1分も経たないうちに、DF犬飼智哉が約35メートルの距離から強烈なミドルシュートを放つ。これがゴール左上隅に決まり、柏が1点差に詰め寄った。

攻勢の柏は後半14分に波状攻撃を見せ、MF白井永地がエリア外からミドルシュートを枠に飛ばす。GK児玉が弾いたボールをMF島村拓弥が押し込み、2試合連続ゴールで同点に追い付いた。その後も数的優位の柏がFC東京を攻め立てる。FC東京もカウンターからディエゴ・オリヴェイラが前に仕掛けようとするが、柏の選手たちに潰されてチャンスを広げられない。

FC東京は後半27分に俵積田とディエゴ・オリヴェイラを下げて、MF原川力とDF長友佑都を投入。松木をゼロトップにした4-4-1の布陣にした。その直後、柏はイエローカードを1枚もらっているジエゴが、FC東京のカウンターをファウルで阻止。中村太主審はカードを出さず、FC東京の選手たちやベンチのコーチングスタッフは猛抗議した。プレー再開前に柏はジエゴを下げ、DF立田悠悟を投入する。

数的優位を維持できた柏は、細谷、木下の2トップがゴールを狙うが、最後のところで森重や長友の身体を張った守備にあって決めきれない。結局、このまま3-3で試合は終了。勝ち点1を分け合うことになった。(河合 拓 / Taku Kawai)

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