〝空中散歩〟で表丹沢や弘法山公園を満喫 新緑の神奈川・秦野市内をヘリで遊覧飛行

大山(右上)や丹沢の山々の新緑を空から楽しんだ遊覧飛行=11日、秦野市内

 新緑に染まった表丹沢や弘法山公園などを空から楽しもうと、秦野市は11日、ヘリコプター事業者の協力を得て遊覧飛行を実施した。市民ら180人が入れ替わりながら約5分間の“空中散歩”を満喫した。

 3月下旬に市内の桜の名所を空から巡ろうとした同様の企画は悪天候で中止になり、今回はそこに申し込んでいた人を対象に、テーマを「新緑」に変えて再設定した。「桜」の企画では200人分の申込枠が半日で埋まる人気ぶりだった。

 この日は上智大学短期大学部(同市上大槻山王台)を発着点とし、約4キロ離れた市カルチャーパーク(同市平沢)までを往復するコース。ヘリは上空600~800メートル付近まで上昇し、渋沢丘陵や丹沢の山並みの新緑が、夏を思わせる日差しに照らし出されていた。午前中は富士山もくっきりと見え、参加者は撮影や鑑賞を楽しんだ。

 夫婦で参加した廣田茂さん(81)は「いつも見る景色を空から見ることができて格別だった。動画も撮れて最高」と上機嫌。下村貞裕さん(73)は「秦野は盆地なんだと再認識できた。紅葉の季節も見てみたい」と話していた。

 参加費用は大人5千円、3~12歳3千円。市は観光の新たな目玉として今後の事業展開を模索しており、観光振興課の担当者は「参加者へのアンケートを通じ、徒歩での散策や自転車での周遊のように、空からの需要がどれだけあるのか感触をつかみたい」と話している。

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