全治8カ月の大けがから…J1アビスパ福岡の佐藤凌我が復帰後初ゴール 今季最多3得点の口火切った、走行距離もチームトップ

前半、先制ゴールを決めた福岡・佐藤(撮影・永田浩)

◆明治安田J1第13節・京都2―3福岡(11日、サンガスタジアム by KYOCERA)
待望の復帰初ゴールで、今季最多3得点の口火を切った。前半19分、ゴール前でフリーになった福岡の佐藤が、ザヘディのパスを右足で流し込んだ。「シャハブ(ザヘディ)が抜け出した同じタイミングで自分も裏に抜け出せた。本当にいいパスを出してくれた」。約8カ月ぶりのゴール。ストライカーは満面に笑みを浮かべた。

移籍1年目だった昨年9月。リーグ戦で4得点とした次戦、ルヴァン・カップのFC東京戦でタックルを受けて左膝を負傷。全治8カ月と診断された。その後のチームの同カップ初制覇を励みにして「次は自分もピッチで喜びたい」と前向きにリハビリに取り組んだ。

リーグ戦復帰した4月28日の東京V戦では京都戦と同じようなパスを決めきれなかった。それだけに長谷部監督も「ある意味、これで復帰できた」と喜んだ。リハビリによる筋力トレーニングの成果で太もも前の筋力の数値は負傷前よりもアップ。復帰後初のフル出場で、走行距離はチームトップの11・36キロだった。

後半7分のチームの3点目は、紺野が岩崎のクロスからボレーでゴールネットを揺らした。6得点のザヘディの個人技に頼らない形でのゴールにも大きな価値がある。「いろいろな選手が点を取って厚みが出せれば」と佐藤は力を込めた。ここ8戦負けなしで、うち5試合は引き分け。得点源が増えれば、勝ち点1を3に持っていける。
(向吉三郎)

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