親がPTAに非加入なら子どもを差別的に対応 神奈川県大和市内の小学校で文書配布、一部保護者が反発

(資料写真)

 親がPTAに入らないと、子どもが差別的な対応をとられる─。大和市内の市立小学校で、4月の新学期を前にPTAが加入の意思を確認する文書を配布した。文面には、非加入世帯は登校班に入れず、物品を提供しないなどと受け取れる記述があり、一部の保護者が反発し混乱を呼んだ。

 任意加入の団体であるPTAが会員の保護者らの同意を取らないまま、会費を徴収して校内外で活動し、違法性も指摘される問題。実態は「強制加入」「自動加入」が多く、近年は不満やトラブルが各地で顕在化している。

 今回、大和市立小で起きた混乱は、今年1~2月に開催した新入生や在校生の保護者説明会の場などでPTAが初めて配布した文書が発端になった。

 新入生用は「登校班」「会費で購入する物品」「主催の活動と保険」の3項目について説明。PTA主導で編成する登校班は「所属されない方は原則毎日保護者と登校」とされ、防災備品や卒業記念品、親子活動行事などは「会費を原資とした物品やサービスとなり、加入を希望されない場合は提供や支給、参加はお約束できない」などと明記し、加入・非加入の届け出を求めた。

 この文書を受け取ったある保護者は、差別的な内容に戸惑い、「PTA会員でなければ、子どもを登校班に入れないというのはひどすぎる。仲間外れなどいじめに発展する恐れもあり、撤回してもらいたい」と訴える。

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