心身整え健康に過ごそう 松山で「伊予塾」、専門家が禅やメンタルヘルス語る 平林寺(埼玉県)師家・松竹老師と精神科医大野さん(西予市出身)

座談会で会場からの質問に答える大野裕さん(右)と松竹寛山さん=11日午後、松山市堀之内(撮影・中田佐知子)

 愛媛ゆかりの著名人が講師を務める「ふるさと大学『伊予塾』」の第74回講座が11日、松山市堀之内の市民会館であった。埼玉県の平林寺専門道場師家・松竹寛山老師(64)が「禅入門」、西予市出身の精神科医大野裕さん(74)が「こころの健康学」と題して講演し、心身を整える方法を伝授した。

 松竹さんは、心身を落ち着かせて元気を取り戻す方法として、江戸期の禅僧が広めた「内観の法」などを紹介した。下腹部から腰、膝、足先までを触れながら深く呼吸したり、疲労した部分に手を当てて癒やしたりする方法を実演した。

 また初心者向けに「イス座禅」を披露。無理のない姿勢で合掌、礼、おなかの前で印を結ぶ動作をし「ゆっくり呼吸し、気力を練る。家庭や職場、学校などどこでもできる」と気軽な実践を勧めた。

 大野さんは、人は問題が起こると「悪い可能性」を考える防衛本能があるとし、正しい情報を得た上で「判断を確かめ直す」大切さを説いた。状況をきちんと把握するため「立ち止まって考える勇気を持ち、1人で頑張り過ぎず人の力を借りよう」と助言した。

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