満員のレストランで「年寄りをどかしなさいよ!」【迷惑客のクレーム】に冷たい視線 → すると!?

レストランで外食する時は、リラックスしておいしい食事を楽しみたいですよね。そんな時に大声でわめき散らす人がいたら、料理の味がわからなくなってしまうことも。今回はレストランで大騒ぎするクレーマーに遭遇してしまった経験のある私の知人、Oさんから聞いたお話です。

レストランのランチタイムで

Oさんは当時、地元で大人気のレストランでパートをしていました。

そのお店は少しお高めの洋食店ですが、ランチタイムはリーズナブルな値段でお料理を楽しめるため、お昼時にはいつも満席。

「ただいま満席となっております、お名前を書いてお待ちくださいませ」
ランチタイムの予約がとれるお店なので、その日もオープンしてすぐに予約のお客様で満席になり、Oさんは予約のないお客様をウェイティングシートに案内しました。

大声で喚く声

「ええー、満席!?」
予約のお客様が数組食事を終え、予約なしのお客様を順番に席に通せるようになった頃、ウェイティングシートに案内された1人の女性客が、突然大声で不満をもらしました。

それは予約なしで来店した4人グループの中年女性のうちのひとりで、すでに数人の名前が書かれたウェイティングボードをイライラした様子で指でつついています。

「こんなに待ってる時間ないのよね、私たち」
「申し訳ございません、順番にご案内しますので……」
Oさんがそう言って対応すると、その女性はぐるりと店内を見渡し、入口近くで食事をしている1組のお客様を指さしました。
「ああいう年寄りがいるから回転が悪くなるのよ。とっとと食べさせて早くどかしてよね!」
指をさされたのは予約をして来ている老夫婦でした。
「ご遠慮ください、まだお食事中ですので」
Oさんはあわててその女性を制しました。

騒ぎ続ける女性に……

「ごめんね、私たち遅くて……」
老夫婦はすまなそうに言いましたが、Oさんは「ごゆっくりお食事なさってください」と言ってとりなしました。

「ごゆっくりにも程があるでしょ! みんな待ってるんだから早くして欲しいわ!」
女性はなおも騒ぎ続け、老夫婦は気まずそうな顔でまだ食事が残っているにもかかわらず席を立とうとします。

あまりに女性が騒ぐので、店内で食事を楽しんでいる他のお客様も何事かと入り口をちらちら見ています。

さすがに見ていられないと、店主がキッチンから顔を出した瞬間、男性の太い声が響きました。

「さっきからうるせえなあ。自分のペースでゆっくり食べさせてやれよ。あんただってメシ食ってる最中にギャーギャー言われたら嫌だろ」
それは女性たちの後ろに並んでいた、若いカップルの男性でした。

「なっ、何よあんた!」
「何ってただの客だよ。みんなうまいメシ食うためにおとなしく待ってんの。腹減ってんのか知らねえけど、黙って待てないなら他の店行けよ」
若い男性に注意され、女性の顔はみるみるうちに赤くなりました。
「恥ずかしいわ、もう出ましょ」
「ちょっとあなた、口を慎むべきよ」
「騒いでごめんなさいね」
今まで黙っていた連れの女性たちは、あわてて女性を店から連れ出しました。

その後ランチタイムに平和が戻り、老夫婦はゆっくりと食事を楽しんで帰ることができました。なお女性客を注意してくれた若いカップルには、店主から小さなデザートがサービスされたそうです。

飲食店は誰もが平等に食事を楽しむ場所です。早く食べたい気持ちはわかりますが、自分を通して欲しいからと言って大騒ぎするのはマナー違反ですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子

© 株式会社ファッションニュース通信社