草刈り協力隊「ヤギ・ルンバ」が除草 草刈り機に絡むやっかいなクズ食べ「ぅメェ!」 旧JR三江線跡地の景観維持に一役

雑草を食べて旧JR三江線跡地の景観維持に貢献しているヤギと田辺裕彦さん=島根県美郷町都賀本郷、旧JR石見都賀駅

 廃線から6年たった旧JR三江線の石見都賀駅(島根県美郷町都賀本郷)で、ヤギが景観維持に一役買っている。地元・都賀本郷連合自治会の草刈り協力隊「YAGI(ヤギ)ルンバ」の5頭で毎日、跡地の雑草を食べて繁茂を防いでいる。活動2年目の2024年度は放牧エリアを1年目の0.4ヘクタールから0.7ヘクタールに広げ、同連合自治会が管理する跡地の半分余りをカバーさせる考え。

 同連合自治会は23年度から、都賀本郷地区の旧三江線跡地1.3ヘクタールの草刈りを町を通じてJR西日本から受託する。跡地は急斜面だったり、石(バラスト)が敷き詰めてあったりして、歩きにくく重労働。負担を軽減しようと、同連合自治会の田辺裕彦会長(66)が育てるヤギの手を借りることにした。

 初年度の23年度は9~12月の4カ月間、放牧した。やっかいなのがクズで、長いつるが草刈り機に絡み作業を妨げる。ヤギはクズが大好物で、線路や斜面を食べ歩き、放牧場所は草刈りが不要なほどの働きぶりだった。

 24年度は4月1日に活動を始めており、しっかりと雑草を食べている。夏場を除いて12月まで放す予定。近くを走る国道375号から線路やホームを歩く姿が見える。

 廃線とヤギという一風変わった風景に見た人が驚くという。田辺会長は「草刈りの省力化につながっている。跡地が荒れて悩んでいる地域の環境維持のヒントになればいい」と話した。

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