その効果、想像以上…鹿児島市が導入した「書かない窓口」、繁忙期の平均待ち時間が6割短縮 受け付け漏れも改善

「書かない窓口」では、これまで市民が名前や住所を手書きしていたが(右)、職員が打ち込んだ書類に確認サインをするだけとなった(左)

 鹿児島市が市役所本庁と谷山支所で導入した「書かない窓口」で、転居届の提出などで訪れる市民の待ち時間が減っている。3月下旬~4月上旬の繁忙期の平均待ち時間は、昨年の58分から23分へ6割短縮。担当者は「想像以上の効果があったが、完全解消した訳ではない」と話し、さらなるサービス向上に力を入れる考えを示した。

 書かない窓口は、住民が書類に住所や氏名などを記入することなく手続きできるシステム。職員が聞き取った内容をコンピューターに打ち込むことによって、利用者の手間が省ける上、オンライン化により手続きが効率化する。転入出の際、児童手当受給の有無などを一元化した住民データを職員が確認しやすく改善したことで、受け付け漏れが減るといった効果も生んでいる。

 市民課によると、導入後初めてとなる繁忙期(本庁、3月25日~4月7日)では、1日当たりの平均処理件数が286件で、昨年(3月22日~4月4日)よりも5%増えた。最大待ち時間は3時間59分から2時間3分にほぼ半減した。

 利用者が多い年度初めの平日の処理件数は今年(4月1日)は521件で、昨年(同3日)より143件(37%)増えた。谷山支所でも、繁忙期の平均待ち時間は44分から15分に短縮。業務効率化により職員の残業時間も減った。

 本年度中に他支所への導入も検討しており、市民課の塘正平課長(50)は「今まで大変迷惑をかけてきた。デジタル化による業務の見直しで市民の負担を減らせたが、待ち時間をさらに短縮できるよう取り組みたい」と話した。

(資料写真)住民異動届の手続きで混雑していた鹿児島市役所市民課の窓口

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