【横浜FM】殊勲の決勝弾、渡辺皓太「自分がなぜあそこにいたのかも、あまり覚えていない」「この試合に懸けていた」。ACL決勝アル・アインに2-1先勝

「これだけ素晴らしい雰囲気を作ってくれて、自然と感情が爆発しました。あまり慣れていませんでしたが(照れ笑い)」

[ACL 決勝 1st] 横浜FM 2–1 アル・アイン /2024年5月11日19:00/日産スタジアム

クラブチームのアジア王者を決めるAFCアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)2023-24決勝の第1戦(ファーストレグ)、横浜F・マリノス(日本、J1リーグ)が植中朝日と渡辺皓太のゴールで、アル・アインFC(アラブ首長国連邦、UAEプロリーグ)に2-1の勝利を収めた。

1-1で迎えた84分、宮市亮のボレーシュートがこぼれてきて、太腿からボールを押し込んだのが途中出場した渡辺だった。まさに気持ちのこもった、そしてマリノスファミリーの想いの詰まった力強い逆転ゴールだった。

一旦オフサイドの反則とされたが、そのあとVARの判定によりオンサイドと判定され、ゴールが認められた。

「(ゴールシーンは?)正直あまり覚えていなくて……。自分がなぜあそこにいたのかも、あまり覚えていないです。途中から試合に出て、何かしらやってやろうと思っていましたし、あれだけの雰囲気を作ってくれていたなかで結果を残せて良かったです」

渡辺はそのようにゴールシーンを振り返った。

「これだけ素晴らしい雰囲気を作ってくれて、自然と感情が爆発しました。あまり慣れていませんでしたが(照れ笑い)……自然とあのような感情になりました」

オンサイドかどうかは、渡辺自身も「感覚がなくて。どちらに転ぶのか自分も分からなかったです」と言う。

この試合では4-3-3のアンカーでピッチに立ち、そのあとインサイドハーフでプレー。スペースに顔を出すなど運動量もあり、中盤を改めて活性化させた。

「シンプルにプレーしてリズムを作り、セカンドボールを拾ったり、球際のところだったり、オーガナイズのところだったり、そこを意識しました。インサイドハーフに入ってからはゴール前に入っていけるように、そこを意識していました」

「もう、なんでもいいので流れを変えたかったです。そのためには結果を出すしかなかった。この試合に懸けていました。その気持ちが結果につながって良かったです」

ホームでの鮮やかな逆転勝利。2-1とリードして敵地であるUAEへと乗り込むことになる。

「今日の結果はしっかり忘れて、また次の試合、イチから難しい試合になりますけど、しっかり勝ちに行って優勝したいと思います」

渡辺は、自らに言い聞かせるように語った。アジア制覇のために、何ができるのか。ただそれだけを考えて、その自分ができるタスクに集中していた。その先にアジアのタイトルがあると確信している。

「マリノスの歴史を変えられるチャンスだし、なかなかこんなチャンスはありません。マリノスファミリー全員が優勝を願っているのは分かっていて、この優勝がどれだけ大きいものなのかも理解しているつもりです。そういった想いをプレーで示したいと思っていました。まだ半分(1試合)ですが、今日は結果が出て良かったと思います」

クールな渡辺が時々興奮気味に感情を込めて語っていたのが、とても印象的だった。

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横浜FMが2-1とリードして、アル・アインのホームゲームとなる第2戦に挑む。ファイナルのセカンドレグは日本時間5月25日25時(26日1:00)から行われる。

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