能登でオーロラ 21年ぶり、太陽フレア影響か

能登地方で観測されたオーロラ=11日午後8時40分、珠洲市真浦町から(宇佐美さん撮影)

  ●各地で観測、人工衛星障害懸念

 気象庁は11日、地球の磁場である地磁気の大きな乱れ「磁気嵐」を観測したと発表した。ここ数日報告されている太陽の表面で起こる大規模な爆発現象「太陽フレア」が原因とみられ、人工衛星や衛星利用測位システム(GPS)に障害が起きる懸念がある。

 11日夜、北海道や石川県などで太陽フレアの影響とみられるオーロラのような現象が観測された。英国やスイス、中国など世界各地でも10日までにオーロラが報告されている。

 県内では能登地方でオーロラが観測された。柳田星の観察館「満天星」(能登町)によると、観測は2003年10月31日以来21年ぶりとなる。

 同館の学芸員宇佐美拓也さん(37)は珠洲市真浦町の海岸で午後8時40分に撮影。肉眼では見えなかったものの、30秒のスローシャッターを切ると、水平線に低緯度で見られる赤色の光が夜空に広がった。宇佐美さんは「太陽からの贈り物に感動した」と声を弾ませた。

 県内では、江戸時代の1770(明和7)年に発生した史上最大級のオーロラが能登地方で観測されていたことが、加賀藩などの古文書に記録されている。

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