北上「カシミヤ聖地に」 市、振興会と立地協定 UTO岩手工場 旧黒岩小へ移転

調印した企業立地協定書を掲げる(右から)宇土社長、八重樫市長、昆会長

 高級カシミヤニット製造・販売のユーティーオー(UTO、本社東京都港区、宇土寿和社長)岩手工場が北上市の旧黒岩小学校に移転し、市、黒岩自治振興会との企業立地協定調印式が11日、現地で行われた。同社は木のぬくもりある旧校舎をリノベーションし、生産体制を強化。海外8カ国での販売が決まっており、「世界一のカシミヤ」作りを誓った。

 調印式では同振興会役員や市担当者らが見守る中、八重樫浩文市長、宇土社長、同振興会の昆美知男会長が協定書に署名。八重樫市長は「高台でロケーションが良く、木材を使った優しくおしゃれな校舎に、全世界に多くのファンがおり『北上ブランド』と言っていい素晴らしい企業に立地いただいた。地域経済、にぎわい、雇用も期待できる」と歓迎。昆会長は「少子高齢化、人口減少の中、地域活性化の追い風になる。黒岩を拠点に、国内外に発信してほしい」と期待した。

 宇土社長は「カシミヤで世界一になり『カシミヤといえば岩手、北上だ』と言ってもらえるようになるのが夢。皆さんに応援いただき、頑張っていきたい」と力を込めた。

 同社は山梨県から北上市に生産拠点を移し、2011年に岩手工場を設立。最高級の日本製カシミヤを用いて職人がマフラーやセーター、カーディガンなどを一貫して手作業で仕上げ、多くのファンを獲得。下江釣子の工場が手狭になり、23年3月で閉校した旧黒岩小校舎へ移転した。

© 岩手日日新聞社