田植えの大変さ実感 藤沢・黄海小5年生農業体験【一関】

もち米の苗を手植えする黄海小の5年生。同校の農業体験は30年目となった

 一関市藤沢町の黄海小学校(佐々木伸校長、児童66人)の5年生が取り組んでいる農業体験が、10日の田植えを皮切りに始まった。2024年度は30年の節目。11月の「収穫感謝の会」までもち米作りを通して農業の大切さを学ぶ。

 事前学習で理解を深めた上で実習を行い、農業への関心や意欲を育んでいる。実習は、黄海地区老人クラブ連合会や同校耕作支援隊らが長年サポート。現在は主に総合的な学習で取り組み、稲刈りや脱穀、もち米の販売や福祉・未就学児の施設への寄贈など、各種授業や行事を予定する。

 10日は16人が地区内の学校田「ぴかぴか田んぼ」約20アールで取り組み、同隊や同連合会など約20人が支援。同連合会副会長の熊谷郁雄さん(79)は「(先人の取り組みを継承し発展させる)継往開来として、米作りの大切さを覚えてほしい」とあいさつした。

 子どもたちは素足で水田に入り、指導通りに「こがねもち」の苗を丁寧に手植えした。作業は順調に進行。田植え機械にも同乗し、機械作業の一端に触れた。

 家族の米作りを見てきたという児童は「田んぼに入ってすぐは気持ち悪かったが、だんだん楽しくなった。祖父たちもこうして田植えをしていたんだなと分かった」と話していた。

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