5年ぶり源平大綱引き くりから夢街道ウオーク 被災者も参加、300人散策満喫

源氏軍と平家軍に分かれて大綱を引く参加者=津幡町と小矢部市境の倶利伽羅古戦場

 歴史国道イベント「くりから夢街道ウオーク」(同実行委、北國新聞社主催)は11日、津幡町と小矢部市を結ぶ旧北陸道や倶利伽羅古戦場で行われた。新型コロナの影響で中止していた源平大綱引き合戦が5年ぶりに繰り広げられ、両市町の住民が源氏軍と平家軍に分かれて競った。ウオーキングには地震の被災地の奥能登からも参加。約300人が快晴の下で散策を満喫し、倶利伽羅峠が伝える歴史ロマンに思いをはせた。

 大綱引きは山頂の倶利伽羅古戦場「猿ケ馬場」で3本勝負で行われた。平家・平維盛(これもり)軍の津幡町民、源氏・木曽義仲軍の小矢部市民の各100人が長さ120メートル、重さ400キロの大綱を引き合った。

 矢田富郎町長、桜井森夫市長も参加し、小矢部・源氏軍が先に2本を取って勝利した。通算成績は小矢部が8勝7敗で勝ち越した。矢田町長は「来年は頑張る。津幡高の柔道部、津幡南中の相撲部の若い人たちを誘おうかなと思っている」と雪辱を誓った。

 維盛役の八十嶋孝司町議会議長(71)、女武者に扮(ふん)した町職員の北野麻理菜さん(20)らが応援した。

 続いて見学者を含めた参加者がウオーキングを楽しんだ。今回は昨年7月の豪雨災害を受け、津幡のコースの一部に被災箇所があるため、全員が小矢部のコース(約4.2キロ)を歩いた。軽食として地震からの復興への願いを込め、珠洲市の揚げ浜塩田の塩を使った「源平おむすび」が提供された。

 倶利伽羅峠の戦いは1183(寿永2)年5月11日に行われ、義仲率いる源氏軍が牛の角にたいまつを付けて平家軍を急襲し、大勝したとされる。今年は初めて戦いがあった当日の5月11日に実施された。

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