小松の熱気最高潮 お旅まつり2日目 曳山7基そろい踏み

絢爛豪華な曳山7基が集結した曳揃え=小松市の細工町交差点

 小松市を代表する祭礼「お旅まつり」は2日目の11日、同市細工町交差点で目玉の曳山(ひきやま)曳揃(ぞろ)えが行われた。ずらりと並んだ7基に電飾が施され、一層際立つ豪華絢爛(けんらん)な舞台で地元の子供役者が堂々と歌舞伎を演じ、詰め掛けた観衆を魅了した。口上大会のほか、神輿(みこし)も巡行し、好天に恵まれた小松には掛け声や歓声が響き渡り、熱気は最高潮に達した。

 曳山曳揃えは昨年、雨天で中止され、2年ぶりとなった。曳山子供歌舞伎の当番町である西町と、曳山を持つ8町から募った「八町こども歌舞伎」が会心の演技を見せ、拍手を浴びた。オープニング式典では、曳山八基曳揃え実行委員会の福島利雄委員長、佐々木紀衆院議員、新田寛之市議会議長、宮橋勝栄市長が順にあいさつした。民謡山本会による曳山八基祝い唄に合わせて、祝いの舞が披露された。

 こまつ曳山交流館みよっさ前の特設舞台では「第12回みよっさ口上大会」が行われ、小松の観光大使「こまつ姫御前」や各町の若衆、曳山文化を映像で記録する金沢学院大生ら13組が登壇した。曳山を背に「トザイトーザイ」と声を張り上げ、小松の魅力や取り組み内容を発信した。

 曳山を移動する曳き手の募集には過去最多の73人が申し込み、住民と力を合わせて曳山を引いた。地域の障害者も加わった。

 お旅まつりは莵橋(うはし)神社(浜田町)と本折日吉神社(本折町)の春季祭礼で、11日は本折日吉神社の神輿渡御(とぎょ)が2日間の日程で始まった。氏子ら約200人が神輿を引いて練り歩き、みよっさ近くでも勇壮に巡行した。莵橋神社の神輿渡御は12日に行われる。

 お旅まつり最終日の13日は市内で西町と八町の子供歌舞伎が上演される。

  ●首都圏から観賞

 曳山曳揃え会場では、東京都目黒区在住の石川県出身者でつくる目黒石川県人会や、首都圏在住の小松市出身者らでつくる関東大小松会の約40人が曳山子供歌舞伎を観賞した。能登半島地震で珠洲市から小松市に2次避難している被災者も子供役者の熱演に拍手を送った。

 北陸新幹線で訪れた県人会の細川雅義会長(77)は「曳揃えは豪華で見栄えがするし、子どもたちも素晴らしい出来だった」と語った。粟津温泉の旅館「法師」で交流会も開かれた。

 北陸新幹線延伸をPRするため、八町こども歌舞伎の子供役者は3月末に東京・浅草で演じている。上演を機に小松を訪れた浅草こども歌舞伎まつり実行委員会の白倉儀輝会長(84)は「お旅まつりは初めて見たが、地元に文化が根差し、子どもたちの演技もすてき」と目尻を下げた。

曳山の前で神輿渡御を行う地元住民=こまつ曳山交流館みよっさ前

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