八村塁の〝軽視〟がレイカーズ監督の解任理由と地元メディア指摘「信頼を完全に失った」

開幕戦はベンチスタートだったレイカーズの八村塁(ロイター=USA TODAY Sports)

米プロバスケットボールNBAレイカーズがダービン・ハム監督(50)を電撃解任した大きな要因の一つとして、八村塁(26)の扱いを〝軽視〟した点を球団専門メディアが指摘した。

レイカーズは今季の不振を受けてハム監督を解任。指揮官の更迭劇を巡って地元メディア「レイカーズデイリー」がその舞台裏を詳細に伝えた。その中で同メディアがハム監督の大きな問題点としたのが選手の起用法だ。

「状況に近い関係者によると、昨年のコアメンバーは〝おとり商法〟の被害者のように感じていたという。オフシーズンの間、彼らは継続性をいかに築くかについて売り込まれていた。だが、そのグループが実際に姿を現すのはシーズンの中間点をかなり過ぎた頃までだった」。つまり、昨季ブレークした選手たちを今季は重用していくチーム方針が伝えられながら、指揮官は全く逆の采配を行ったというわけだ。

中でも特に問題視されたのが八村の起用法だ。昨季後半にトレードで加入後は目覚ましい活躍を見せ、プレーオフでは強豪相手に連日の大活躍で脚光を浴びた。そのため八村をレギュラー起用する方針が主力選手の間でも共有されていたが、開幕戦の王者ナゲッツとの大舞台でまさかのベンチスタートに。

「シーズン初めに八村ではなく(トーリアン)プリンスが先発に選ばれた時、何人かの選手たちは驚いた。ロッカールームや組織全体の多くは、なぜ数か月も前から立てられていた計画がシーズン開始早々に投げ出されてしまったのか疑問に感じた」。同メディアは八村を軽んじたことが、チームの不振を招く元凶になったとズバリ指摘した。

「組織は成長と学習を目指していた。だが、リーブス、ラッセル、さらには八村さえもベンチに座った時、多くの人がハムに対する信頼を完全に失った瞬間だったと情報筋は語っている」と強調。さらにレイカーズ関係者はこう続けた。

「意味がなかった。シーズンを好転させる可能性があると誰もが分かっていたことを無視し続けた。その時から、みんなが彼を無視し始めた」

八村の扱いを始め不可解な選手起用が続き、選手やスタッフからの求心力を失い、最後は四面楚歌になったというわけだ。

現在レイカーズは新監督を選定中。八村の起用法は大きな焦点となりそうだ。

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