大音量でドライブ…それが“あおり運転”の可能性も イヤホンつけても交通違反?警察に聞くと…

ドライブをする時、音楽を聴きながら運転するという人は多いと思います。しかし、何気なくかけているその音楽。音量次第で実は交通違反かもしれません。取材しました。

行楽シーズンを迎え、車でドライブ。好きなアーティストの音楽を聞きながら気持ちよくドライブする人も多いのでは。

でも、外の音が聞こえないような状況になると…交通違反になる可能性があるのです。

なぜ違反になるのでしょうか。

富山県警交通企画課・今﨑貴史警部: 「道路環境における危険を知らせる踏切の遮断機の音だったり、パトカーや救急車が通る時のサイレン音が聞こえない。このような環境下での運転はとても危険なものになりますので、その中で、オーディオ、音楽やラジオ等を大音量でかけることは交通違反に該当してきます」

大音量で運転することによって、踏切の遮断機の音や救急車のサイレンなど危険を知らせる周囲の状況を把握出来なくなり、道路交通法第71条「運転者の遵守事項」に違反する可能性があるといいます。

その中で大音量で運転する行為については、各都道府県によって規則が決められているのです。

富山県の場合は…。

富山県警交通企画課・今﨑貴史警部: 「公安委員会の遵守事項違反ということで各県ごとに条例が定められていますが、5万円以下の罰金、そして反則切符になりますと、反則金6000円、点数はないという違反になりますが」

富山県の道路交通法施行細則では最大で5万円以下の罰金、大型車は反則金7000円、普通車や二輪車は反則金6000円、原動機付自転車などは反則金5000円、違反点数は“なし”になります。

カーオーディオの大音量で、近くにいる人やドライバーを驚かせたり、周囲に恐怖心を与えたりするとあおり運転として「妨害運転罪」に問われる可能性もあるといいます。

では、警察はどのように“音量”を取り締まるのでしょうか。カーオーディオの音量が大きかったため、警察官による指示が聞こえず、違反となった事例もあるといいます。

富山県警交通企画課・今﨑貴史警部: 「例えばパトカーに何回も呼び止められ、警察がマイク使って呼びかけてもそもそも止まらない、そもそも聞こえてないから止まらないという方が、何回呼んでも止まらないような方に取り締まりをしているという話しを聞きます」

カーオーディオのスピーカーではなくワイヤレスイヤホンやヘッドホンを使用しながら運転した場合は?

富山県警交通企画課・今﨑貴史さん: 「例えば両耳にイヤホンをつけて、ワイヤレスで音楽を飛ばしても、先ほどの車のオーディオ同様、全く(外の)音が聞こえないようであれば、これはカーオーディオを大音量で聞いているのと一切意味合いは変わりませんし、ワイヤレスで飛ばしていても、周りの音が聞こえるように音量を絞っていただきたい」

たとえ小さな音量でも密閉型のイヤホンは外の音が聞こえにくくなるため、違反の対象になるといいます。

片耳だけイヤホンをした場合は…。

富山県警交通企画課・今﨑貴史さん: 「片耳だとしても、その音の方に集中してしまい、周りからの警告音や周囲の状況を確認できないような状況だと必ずしも良いとは言えませんし、違反に該当するか、しないかの判断には、その時のボリュームの大きさであったり、音楽への没頭の仕方次第によっては違反に該当しないとも言い切れませんので、片耳・両耳問わず、周囲の危険な音をひろえるように、安全な行動を取ってほしいと思います」

自転車を運転する場合も注意が必要です。

富山県警交通企画課・今﨑貴史警部: 「自転車は車の仲間になりますので、音量も違反になりますが、今後、自転車も切符対象になるのかと言われておりますので、やはり道路環境に応じた安全な行動を取らないと、やはりそのような取り締まり対象になる可能性もあります」

「車内で音楽を聞く」、この行為自体は交通違反ではありませんが、周囲の音が聞こえないほどの大音量であったり、イヤホンを使用すると、避けられるはずの事故を避けられない危険があります。事故にあわないために安全で、最善の行動をとるように心がけましょう。

© 株式会社チューリップテレビ