追悼碑のプレートに献花 守る会解散、新たな団体へ 群馬・前橋市

碑文プレートなどの前に設置された献花台に、白いカーネーションをささげる参加者

 市民団体「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」などは11日、群馬県前橋市の県教育会館で戦時中に朝鮮半島から連れて来られた人たちの追悼集会を開いた。県立公園群馬の森(アイ・ディー・エー群馬の森、高崎市)にあった追悼碑の碑文プレートが、県の行政代執行による撤去後初めて一般公開され、参加者約200人が献花や記念写真の撮影をした。

 集会後、同会の総会が開かれた。この日で会を解散し、別団体を立ち上げて反戦や平和を訴える運動を続けることを確認した。結成集会を後日行い、将来的に碑の再建も目指す。県から支払いを求められている撤去費については、「警備費などが含まれているのは不当で、支払える資金もない」と報告した。

 都留文科大4年で、追悼碑の撤去問題を研究している女性(22)は「歴史修正主義を克服する社会にしたいと改めて感じた」と話した。高崎市から訪れた女性(61)は「加害の歴史と向き合うためにも、碑の再建を実現したい」と語気を強めた。

 同会によると、在日韓国大使館側から面談の申し入れを受けて集会への参加を勧めていたが、大使館の職員は訪れなかった。

 追悼集会に先立ち、参加者の一部は群馬の森の碑があった場所で、拡張現実(AR)のアプリで碑の再現を試みた。県との訴訟を後押しした「『追悼碑裁判』を支える会」も解散した。

「守る会は役割は終えたが、アジアとの信頼を強めるため新たな会で取り組んでいく」と強調する、守る会の藤井保仁事務局長

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