「サッカー人生でベストゴールですか?」FC東京戦でスーパーショットを決めた犬飼智也に失礼を承知で質問。すると…【柏】

2024年5月11日、味の素スタジアム。FC東京を相手に1-3とリードされた後半、柏レイソルに大きな勢いをもたらしたのはDFの犬飼智也だった。

46分、ゴール正面、30メートル以上のロングシュートを右足で突き刺し、スタジアムの雰囲気を一変させたのだ。前半アディショナルタイムにGK波多野豪(FC東京)の退場で数的優位を得たとはいえ、2点のビハインドは重かった。それが犬飼のスーパーショットで1点差となり、これで息を吹き返した柏はそこから同点に追いつくのだ。

殊勲者の犬飼に試合後、ロングシュートについて訊くと彼は「打った瞬間に入ったと思いました」とコメントした。「ラッキーという感じでした」と言いつつ、練習の賜物であることも付け加えていた。

驚愕とも言えるこのロングシュート、失礼を承知で犬飼に「サッカー人生でベストゴールですか」と質問を投げた。すると…。

「いや、鹿島でもああいうゴールを決めたことがあるので(21年8月9日の湘南ベルマーレ戦)。あの時のほうが当たり的には良かったです」

風が追い風だったこともあり、後半の早い時間帯で相手が下がった局面ではシュートを打つと、犬飼はそう決めていた。そうしたアグレッシブな気持ちがゴールに繋がり、チームに勢いをもたらす要因になったのだろう。

「コースは完璧でした」という犬飼のシュートは、いずれにしても後世に語り継がれるスーパーショットだった。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

© 日本スポーツ企画出版社