死角で抱き合い性的行為も…鹿児島の温浴施設“閉店やむなし”の複雑事情

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今年3月惜しまれながら閉店したのが、鹿児島中央駅から徒歩15分ほどの場所にある太陽ヘルスセンター。温泉やサウナなどが楽しめるこの施設が閉店に追い込まれた理由は、昨今の燃料費の高騰や施設の老朽化だけではなかった。

〈またモラルのないお客様の行為によりこのまま温泉事業を続けていくことが大変困難となってしまいましたこと、ご理解いただけますと幸いです〉と同店がHPに記したように、大浴場の奥にあるプールやサウナなど施設内の死角になっている場所で、長年繰り返されてきた迷惑行為も閉店理由の一つだという。

スーパー銭湯やサウナなどの温浴施設に詳しいライターはこう話す。

「昨今のブームで増加傾向のサウナ施設ですが、昔から経営者を悩ませているのが、同性同士の“行きずりの場”になっていること。死角の場所で抱き合ったり、性的行為をしていたりということが少なくなく、閉店した鹿児島の施設では注意書きを掲示したり、迷惑行為をした人に誓約書を書かせたり、ブラックリスト化したりしても効果がなかったといいます」

こうした迷惑行為は全国的に起こっているという。

「ネット掲示板で出会いを求める人たちの間では、東京の城南地区にある大型温浴施設が有名で、足首にロッカーのキーをつけているのが目印になっているともいわれています。私は大型施設に行った際は白濁湯にだけは絶対に入らないようにしています。年配男性に体をジッと見られたことがありますが、非同性愛の男性にとって全裸女性が目の前にいるようなものなので、同性愛の男性が興奮しないほうがおかしく、欲望が抑えられないのも理解はできます。しかし、これは公園で性的行為をすれば、公然わいせつになるのと同じです」(前出のライター)

こうした温浴施設の経営状況は、燃料費や光熱費の高騰で決して良好ではない。

「浴室やサウナに防犯カメラをつけるわけにはいかず、人を巡回させて他のお客さんの迷惑になる行為を取り締まることもできますが、その分コストがかさみます。トイレのドアの下方部分を開けた状態にしているところもありますが、他の死角で迷惑行為がなされるなど限界があります」(消費経済アナリスト・渡辺広明氏)

せっかくのリラックス効果を台無しにする迷惑行為は許してはならない。

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