必要なモノは揃っている? 梅雨入り前に防災グッズを見直そう!【防災プロジェクト】

【動画】梅雨入り前に確認を! 進化する防災グッズ

5月に入って、大雨シーズンが近づいています。中国地方の梅雨入りは、平年は6月6日ですが、3年前には5月12日という早い記録もありました。梅雨入り前に自宅の備えの見直しについて広島テレビの塚原美緒気象予報士・防災士がお伝えします。

広島市安佐南区にあるホームセンターでは、1年を通して防災コーナーを大きく展開しています。2024年に入って問い合わせが相次いでいるのが、携帯トイレだそうです。

■西村ジョイ 河田亨一さん

「こういったような携帯用のトイレですね。こちらの方がよく売れています。去年と比べて500%、約5倍売れていますね。」

特に売れているのが、100個セットのような大容量タイプです。

■西村ジョイ 河田亨一さん

「能登半島地震で1週間2週間という長期の断水があったので、その影響で大容量のものが増えていますね。」

その他、長期保存用の水の売り上げも、2023年より10倍になりました。また、女性向けの防災セットが注目されています。生理用品や水のいらないシャンプーなど、あると助かる物が揃います。

■西村ジョイ 河田亨一さん

「ご夫婦で連れ添ってこられて「これいるんじゃないの?」ということで、お買い上げいただいたケースも何回かあります。」

そのセットの中に、2024年に発売されたばかりの7年保存のカイロがありました。開発したエステーの担当者に話を聞きました。

■エステーPRO西日本営業部 田原修造さん

「今防災グッズの関連商品の中に入っている食品が、有効期限、消費期限が7年に切り替わってきているんですね。そういう流れから、私どももカイロに関しましては7年の商品が必要ということを強く感じまして。」

一般的なカイロの有効期限は3年です。一方、防災食の多くは期限が7年となっており、同じタイミングで備蓄品の入れ替えができるようにとの思いです。

開発には苦労もあったといいます。

■エステーPRO西日本営業部 田原修造さん

「鉄粉の量だとか配合の仕方とか、都度都度チェックをしながら7年間、経過を確認しておりました。」

7年後に開封しても40℃以上の状態を16時間保つことができます。

また、ホームセンターの防災用品コーナーには、変わり種のグッズもありました。人気漫画「北斗の拳」のキャラクターが描かれた缶は、なんと防災備蓄食です。作っているのは、東広島市にある光工業です。「北斗の拳」にした理由を聞きました。

■光工業代表取締役社長 吉田龍一さん

「なかなか非常食って、みなさん買う順番が一番後ろになりやすいと思うんですね。もっと非常食を自分から持ちたいってなってもらいたいと思って、北斗の拳とコラボした非常食を出しました。」

光工業では元々、缶詰やスプレー缶を製造しており、その技術を防災に役立てようと2007年から防災食の缶を作り始めました。そして、2024年に発売したのが、40周年を迎えた「北斗の拳」とのコラボレーション商品です。一番のこだわりは、『北斗の「堅」』の商品名どおり、中身の堅さです。

また、作品の世界観と合わせて『くろがね堅パン』という北九州の銘菓を採用しました。

■光工業代表取締役社長 吉田龍一さん

「作品自体がすごく困難が多いような世界観なんですね。ただそこにキャラクターが、力強さと愛を持って生き延びていくというストーリーになっていまして。まさに非常時に、明日へ明後日へ向かって生き延びていくというところが、非常食と作品性がマッチするということを思いました。」

光工業では、絵本の人気キャラクター「はらぺこあおむし」とコラボレーションした防災食もあります。小さな子どもは防災食を「食べたくない!」と拒否してしまう場合もあることから、自分から食べたくなるようなものをと、食べやすいウエハースにしたそうです。

自宅にある備えを見直すポイントは、3つあります。1つ目は、保存期限や電池・充電が切れていないかの確認です。先述のカイロのように、長期保存できるものも増えているので活用をおすすめします。2つ目は、子どもが成長して食べられるものや服のサイズなど変わっている場合や、持病などで必要なものが変わっている場合もあります。「今の」自分や家族に合っているか、再確認が必要です。3つ目は、取り出しやすい場所にあるか確認しましょう。奥にしまうと、地震で物が倒れた後に取り出せない、もしくは入れたことを忘れていることがあります。梅雨入り前に、家族で見直してみてください。

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