鳥越俊太郎×長野智子 アメリカ同時多発テロを振り返る 鳥越「当時の構図と今って変わっていない」

TOKYO FMの音声配信プラットフォームAuDee(オーディー)の番組「長野智子のテレビなラジオ」(隔週火曜・10時配信)。1985年のフジテレビ入社以降、テレビ業界で活躍してきたフリーアナウンサー・長野智子が、テレビを牽引してきた制作者・出演者をゲストに招き、テレビの過去・現在・未来を語ります。

4月30日(火)の配信では、ジャーナリストの鳥越俊太郎さんがゲストに登場。ここでは、アメリカ同時多発テロのパレスチナでの取材を振り返ります。

(左から)パーソナリティの長野智子、鳥越俊太郎さん

◆アメリカ同時多発テロ発生直後にパレスチナを取材

長野:私が「ザ・スクープ」に入って2年目に、アメリカ同時多発テロが起きました。テロリストに乗っ取られた飛行機が世界貿易センターに突っ込んだ大変な事件のとき、日本は全員アメリカを向いていたんですよね。

「テロリストはなんて酷いことをするんだ。報復はしょうがないんじゃないか」といった報道もあったときに、鳥越さんが「うちの番組はパレスチナ視点にしよう」とおっしゃったんですよね。突然(笑)。

鳥越:報道は全部ニューヨークに行っていたからね。でも、当時の構図と今って変わっていないでしょう? パレスチナに行って現場の取材をしたことで、今起こっているパレスチナ・ガザとイスラエルとの戦いの根底に何があるのか、すぐにわかるでしょう?

長野:そうですね。あのときのことは感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、当時はアメリカの飛行機が乗っ取られて、パレスチナに向かって飛んでいるのがイスラエル航空だけだったんですよね。「これに乗って行くんかい!」と思いました(笑)。私が「わかりました」と準備していたら、鳥越さんが「怖がってるでしょ、長野さん」とか言って(笑)。

鳥越:(笑)。それは私がイランにいて、戦場もあちこち行っていったから。やっぱり、戦場に行くことってかなりビビるんですよ。僕も相当ビビりました。

ジャングルいっぱいに地雷が敷き詰められているところを歩かなきゃいけないときは、もう終わりだなって思いましたね。長野さんは相当緊張しているだろうなと思ったので、ああいう風に声をかけてみたんですね。

長野:私は中東は初めてだったのと、当時はインティファーダ(イスラエルの占領地においてパレスチナ住民により組織的に展開された占領支配に抵抗する運動)でパレスチナがけっこうすごい状況だったんですよね。

でも、アメリカ同時多発テロをおこなった、アルカイダの指導者だった「ビンラディンの怒りの原点はパレスチナだから」と鳥越さんがおっしゃったんです。「まずそちら側を見なきゃ事件は語れないぞ」とおっしゃっていたけど、私がどうしようかと思っていたら鳥越さんが「ビビってるだろ?」って言うでしょう? 「ビビってません!」とか言って、私もそこでいらない根性を出したんですよね(笑)。

鳥越:長野さんは頑張って行くだろうなとは思っていましたね。その後も長野さんはいろんな難しい事件の取材をいっぱりおこないましたよね。

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▶▶「長野智子のテレビなラジオ」AuDee(オーディー)音声版
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<番組情報>
番組名:長野智子のテレビなラジオ
配信日時:隔週火曜・10時配信
パーソナリティ:長野智子
番組サイト:https://audee.jp/program/show/100000367

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