“雪化粧がちょうどいい”初夏の富士山を眺める! 1時間半「絶景ハイキング」レポ

天気がよければアルプスの山々への展望も開ける三ツ峠山

日本一の山、富士山。その美しい姿を望めるスポットは日本各地に数多く存在する。そんな数多の富士山ビュースポットの中で、今回紹介するのは「三ツ峠山」。山を登って、富士山の絶景を拝むのだ。筆者イチオシがこの三ツ峠山で、これまで訪れた富士山ビュースポットの中でもナンバーワンだと思っている。

理由は、手軽に最高の絶景を見られるから。今回はそんな“ラク”して富士山の魅力を存分に味わえる三ツ峠山を紹介する。

■3つの山の総称である三ツ峠山とは?

三ツ峠山とは、山梨県の富士河口湖町、笛吹市、甲州市の境にある標高1,785mの山。一般的な知名度はそれほど高くないが、富士山を望む絶景スポットとして登山愛好家から人気の山だ。

実は三ツ峠山はひとつの山ではなく、開運山(かいうんざん)・御巣鷹山(おすたかやま)・木無山(けなしやま)の3つの山のことを言う。

有名なところだと、那須岳が茶臼岳、朝日岳、三本槍岳を中心とする5つの山の総称となっているように、三ツ峠山も山々の総称なのだ。

■選ぶべき登山ルートとは

三ツ峠山には複数の登山ルートが存在し、その中でも、今回のテーマである“ラク”して頂上まで到着できるのは、登山口から1時間ちょっとで頂上に到着できる三ツ峠登山口からの登山ルート。

登山口までは河口湖駅からバスでアクセス可能で、降車場所は「三ツ峠登山口バス停」となる。登山口には駐車場があり、マイカーで登山口まで向かうこともできる。ただし、前述の通り登山愛好家に人気の高い山なので、休日は早い時間に駐車場が満車になることも。車でアプローチする場合は、時間に余裕を持って訪れたい。

なぜ三ツ峠登山口からの登山が“ラク”か。これは頂上までの登山道に急なところがほとんどない点に尽きる。登山開始から約1時間で頂上に到達し、あれほどの絶景を眺められる山を筆者は他に知らない。そう言い切れるほど富士山の絶景インパクトが強烈な山、それが三ツ峠山なのだ。

■三ツ峠山の絶景ポイント

三ツ峠山は登山中も富士山が見えるポイントが多いため、コースのどこを切り取っても概ねおすすめ。その中でもとっておきなのが、開運山からの景色だ。

御巣鷹山や木無山からの景色も捨てがたいが、林の中になっている点や、電波塔が視界に入ってしまう。やはり筆者は開運山からの景色がおすすめだ。この開運山からの富士山の眺めが、すべての日本人に一度は見てもらいたいと思うほどすばらしい。感動という言葉では言い尽くせないほどだ。

頂上からは富士山の絶景はもちろん、遠くの山々まで見渡せる360度のパノラマが広がっている。今回筆者が登ったのは11月下旬の初冬、富士山の冠雪が見ごろな頃であった。富士登山は積雪のない夏がオンシーズンだが、富士山を眺めるのであれば冠雪している姿の方が間違いなく映える。

三ツ峠山は、富士山からのパワーと「開運山」という名前、古くからの修験道ということもあり、山梨県有数のパワースポットとしても名高い。登ることで富士山の絶景を見ることができ、運動にもなり、さらにありがたいパワーも注入できる、いいことづくめの山だ。

■もうひとつのおすすめポイント、三ツ峠山荘からの絶景

開運山からの景色は言うまでもなくすばらしいが、この三ツ峠山のもうひとつのおすすめポイントが三ツ峠山荘である。

ポイントは山荘前に用意された、しっかりとしたベンチ! 筆者を含め、数多くの登山者がベンチスペースから見える富士山をバックに記念撮影を行っていた。三ツ峠山に登るのであれば、ランチはぜひ持参してここで食べてほしい。富士山を眺めながら食べるカップラーメンは、普段の数十倍も数百倍もおいしく感じる。ぜひお試しあれ。

■登山の準備を万全に、ぜひ最高の富士山が楽しめる三ツ峠山にチャレンジ!

ここまで“ラク”してをコンセプトに三ツ峠山を紹介してきたが、登山であることに変わりはない。登山の装備や食料・水など、準備は万全にして臨もう。また、整備された登山道とは言え、悪天候時には道が荒れ、歩きづらくなる可能性も考えられる。美しい富士山の姿を見るために、天気予報のチェックも怠らずに行ってほしい。

今回紹介できなかったルートやスポットが、三ツ峠山にはまだまだ数多くある。一度感動を得てしまうとそれで満足しがちだが、二度、三度とさまざまな側面から三ツ峠山を存分に堪能してほしい。

●三ツ峠山

住所:〒401-0304 山梨県南都留郡富士河口湖町河口

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