東北電力新潟支店(新潟市中央区)は10日、上越火力発電所1号機(上越市八千浦)で行われている定期点検の現場を報道陣に公開した。定期点検は2022年12月の営業運転開始以降初めて。
定期点検は3月16日から6月28日まで。約80社、延べ3万人が従事し、世界最高の発電効率を支えるガスタービンをはじめとした装置の分解点検やボイラー内部の点検、元に戻す作業を行う。
上越火力発電所によると、進捗(しんちょく)率は10日時点で約50%。現在のところ、運転に支障を来すような不具合は出ていないという。
同日は点検を終えたガスタービンのローターを「車室」と呼ばれる定位置に戻す作業が公開された。ガスタービンローターは全長約13メートル、直径約1・5メートル、重量約110トン。建屋に据え付けられた大型クレーンでつり上げ、20分ほどかけて慎重に行われた。
上越火力発電所1号機の出力は一般家庭80万世帯の消費電力に相当する57万2000キロワット。高効率で経済性に優れ、稼働・停止に要する時間が管内の他の火力発電所に比べ短いため、太陽光発電など自然エネルギー発電との調整がしやすいのが特長だ。
鈴木康吏所長は「今回は全ての機器の分解・点検を行っている。設備の信頼性を確保し、夏場の電力供給を安定的にするため、定期点検を全うしたい」と話した。