マリノス戦士は口々に…敵将も認めざるを得ず。一枚岩で悲願のACL制覇に王手。“一時休戦”で他サポも加勢

横浜F・マリノスは5月11日、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝・第1レグで、UAEの難敵アル・アインとホームで対戦。開始13分で先制を許すも、72分に植中朝日、84分に渡辺皓太がゴールを奪い返し、2-1で鮮やかに逆転勝利を収めた。

決戦の舞台となった横浜国際総合競技場には、5万3704人ものサポーターが集結。普段は空席が目立つスタンド上段まで埋まり、圧倒的なホーム感と特別感を演出した。

キックオフ前から絶えず続いた熱量溢れる応援は、大きな後押しになったようで、殊勲の決勝点を挙げた渡辺は試合後、次のように感謝を伝えた。

「完全に僕たちだけの力じゃないです。スタジアムに駆けつけてくれたファン・サポーターの皆さんの雰囲気や、マリノスファミリー全員の力が最後のあのゴールに、結果という形でついてきたのかなと思います。まず、スタジアム入りの時にマリノスサポーターだらけで鳥肌が立ちましたし、必ず結果を出すしかないという気持ちになりました。本当にファン・サポーターのおかげだと思います」

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また、守護神のポープ・ウィリアムも絶大なサポーター効果を口にした。

「本当にすごく圧倒された雰囲気というか。入場した時からACLの決勝に相応しい雰囲気をサポーターの方々が作ってくれました。ここにバスで入ってくる時もすごく圧倒されたというか、やっぱりマリノスのサポーターの方々の力はすごく感じましたし、本当に頼もしかったですね」

一方で、相手からすればたまったもんじゃない。アル・アインを率いるエルナン・クレスポ監督が会見で放った言葉がそれを物語っている。「第2レグでの逆転に自信はある?」と問われた際に、こう答えたのだ。

「とても自信がある。なぜなら次は我々のホームで戦うからだ。ホームでファン・サポーターの方々と一緒に戦うことはとても心強い。今日はやはり相手のホームということで、相手のファンがとても大きな声を出して応援していたので、なかなか簡単ではなかった。次はそれが真逆になる」

ちなみに、この日ばかりはライバル関係を忘れ、Jリーグ代表を応援しようと、マリノス以外のユニホームを着た人々も次々に来場し、加勢。クラブの枠をも超えた一枚岩が、ACL制覇に近付く先勝を手繰り寄せた。

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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