横浜FMを苦しめたカウンター戦術 敵将クレスポが機能性に自信「質があると信じてきた」

アル・アインのクレスポ監督【写真:徳原隆元】

クレスポ監督は負けられない第2戦に向けて自信

アジア王者を決めるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝第1戦は、5月11日に横浜F・マリノスがホームでアル・アイン(UAE)に2-1の勝利を収めた。アル・アインのエルナン・クレスポ監督は、カウンター狙いの戦術を「我々はこのやり方でACLを戦ってきたし、このやり方にクオリティーがあると信じてきた」と話した。

ACLでは東西両地区に分かれて準決勝までを行い、決勝のみ東西対決になる。横浜FMは韓国勢や中国勢との際どい戦いを制してきたが、アル・アインは多額の資金を投下して世界トップクラスの選手を獲得したサウジアラビア勢を破ってきた。準決勝では、前回浦和レッズに敗れ準優勝のアル・ヒラルを下した。ブラジル代表FWネイマールは負傷離脱中だが、セルビア代表MFセルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチらは健在だった。

そのアル・アインは前半12分に横浜FMのミスを突いて先制すると、徹底してカウンターを狙った。MFソフィアン・ラヒミを最前線に残し、残りの10人はタイトに相手選手をマーク。そして、ボールを奪うと一発勝負のロングボールを繰り出した。実際に、そこから際どいチャンスが生まれそうになる場面もあった。最終的には後半に横浜FMが2得点して試合をひっくり返したが、アル・アインの割り切ったスタイルもまた印象的なものだった。

横浜FMのホームとはいえかなり守備的な戦術を取ったが、現役時代にアルゼンチン代表のストライカーとして活躍したクレスポ監督は「我々はこのやり方でACLを戦ってきたし、このやり方にクオリティーがあると信じてきた。このやり方で決勝まで来たのでそういうことだと思う。今日はあまり得点チャンスはなかったが、十分に機能性もあり、効果的なところもあったと思う」と、チームとして統一された考えの下にある戦いだと強調した。

一方で、5月25日の第2戦はホームゲームだけに「すべてを分析する必要があるが、次のホームゲームでのチャンスを待ちたい。違った我々を見せられるように願っている。とても自信はある。なぜなら次はホームゲーム。サポーターとともに戦うのはとても心強い。今日は相手のサポーターも大きな声援だったので簡単ではなかった。次はこれが反対になると思う」と、不敵な笑みを浮かべ逆襲を誓っていた。

果たしてアル・アインは1点を追うホームゲームでプレーエリアを前に出してくるのか、それともギリギリまでカウンターを狙ってくるのか。横浜FMとしても、その出方は気になるところになりそうだ。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)

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