サクラマス養殖法に国際認証 釜石・泉沢水産が岩手県内初取得

ASC認証を受けた泉沢水産のいけすを見学する関係者

 釜石湾でサクラマスなどの養殖を営む泉沢水産(釜石市、泉沢宏代表取締役)は、岩手県内で初めて水産養殖管理協議会(ASC、本部オランダ)の国際認証を取得した。水質や生態系に配慮した養殖業に与えられる認証で、商用のサクラマスでは世界初。環境意識の高い消費者や海外への輸出を視野に入れる。

 認証に向けては、魚の排せつ物による水質汚染を抑えるための設備を導入したほか、食べ残しがないよう給餌方法を見直すなど対応を改善。ASCが定める▽野生個体群の多様性維持▽水質の保全▽地域社会に対する責任と適切な労働環境-など7原則に沿った基準をクリアした。

 同社は釜石市や岩手大などとコンソーシアムを構成し、2020年11月に試験養殖を開始、22年に事業化した。今期はいけす(直径40メートル)を計4基に倍増させて稚魚を育て、6~7月の水揚げを予定。2キロほどに成長したサクラマス200トン、ギンザケ160トンの水揚げを見込む。

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