〈低コスト生活〉の大敵=「こだわり」を無理なく手放すコツ【生活費「月7万円」を実践する人気YouTuberの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

出費をおさえることにこだわるあまり、かえって生活が苦しくなることも……健やかに「低コストライフ」を送るためには、「手近にある好きなことをしてみる」ことも重要であると、ミニマリストの人気YouTuber、かぜのたみ氏はいいます。かぜのたみ氏の著書『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』(朝日新聞出版)より、「こだわりを手放すコツ」について見ていきましょう。

「スマホ」と「自分」を定期チェックする

私は1か月に1〜2回ほど、スマホの中身を整理します。不要なアプリやメモのためにとったスクリーンショットなど、知らない間に何かと溜まっているからです。

ざっくりした手順を挙げてみます。

・写真フォルダ
1枚ずつ見ていって、いま役立っているもの、残しておきたいものだけ残す。完全に記憶から消えていた画像が発掘されたら削除。

・メモアプリ
保留になっている事項は実行する。きちんと考えをまとめておきたいメモは、別のツール(紙のノートなど)にきちんとまとめて整理し、明らかに不要なメモ、実行し終わったメモ内容は削除する。

・各種アプリ
使いやすい順番に、フォルダ分けや並び順を変える。明らかに使わなくなったアプリは削除する。

こうして整理すると、まるで自分の過去を整理しているような気持ちになって、「そういえば、この時期はこんなことを考えていたな」と、軽く振り返る時間にもなります。

そうすると、いま抱えている悩みや不安も、きっと整理する段階になれば「そんなことあったわ」と思えるようになって、狭くなった視野も心持ち広くなる気がするのです。

スマホに限らず何事も、不具合なく使うためにはこまめなメンテナンスが必要です。

自分自身のことも、このスマホの整理作業と同じように「嫌なこと」「合わないこと」「もう必要ないこと」を溜め込んでいないか定期的に考えるようにしています。

きっと私たちの内側にも、こうした「使わないアプリ」のような存在があって、それらが溜まりすぎるとストレスを感じるのかも、と思うことがあります。

でも自分の内側はアプリのように見える訳ではないので、解決を先延ばしにしてしまいます。

ですが、放置すれば確実に蓄積されていき、どんどん対処が大変になっていきます。

まだストレスが軽いうちに、こまめに見直すのがいいのではないかと思うのです。

低コストライフを送る前は、この自分の内側に溜まった「不要なアプリ」=ストレスから一時的に離れたくて、ショッピングに出かけてみたり、外食してみたり、1泊2日の旅行に出かけてみたりすることで、削除できた気になっていました。

10回に1回ほどは成功することもありましたが、残りの9回は、なんとなく現実逃避になっただけで根本的な解決には繋がっていなかった気がします。

自分の内側にあるストレスは、アプリとは違い、そうすぐには消せません。

なぜか消えないものや、削除してもまた復活するような手強いものもありますが、定期的に改めて向き合ってみると自然と消えていくのです。

きちんと消えるように対応していけば、自分のメモリを圧迫せず、大きなトラブルもそれほど起こらなくなるのではないかと思っています。

「こだわり」は取り扱い注意

低コストライフを送っていて、取り扱いに注意を払っているのが「こだわり」です。

「こだわり」の取り扱いはかなり難しく、上手く使えれば、低コストで済み、自分も満足できるという、かなりハイクオリティな仕上がりに持っていけるのですが、使い方を間違えると浪費や散財を増幅させてしまう、私にとっては“危険物”です。

人によっては「こだわり」が強すぎるばかりに、健やかで充実した低コストライフを送れていないケースも、きっとあることでしょう。

では「こだわり」が悪い動きをしてしまっている例を見てみましょう。

・ポイントを集めるために、こまめに買い物している

・歯ブラシにはお金をかけるのに、歯科検診はケチって行かない

・嗜好品のお茶やお菓子は奮発するのに、普段の食事は適当に済ます

「こだわり」は人それぞれで、私にも無数にあります。

外野がとやかく言うものではない、ということはまず前提に置いておきたいと思います。自分のお金をどう使おうと、どんな生活を送ろうとみな自由ですからね。

ここでお伝えしたいのは、「こだわり」の取り扱い方です。

先ほどの例だと、「ポイント」「歯ブラシ」「嗜好品」が“こだわりポイント”で、こだわりのみを実行しようとするばかりに、全体で見るとデメリットの方が多くなってしまっています。

これでは事態が良くなるばかりか、やればやるほど支出が増えたり、体調が悪化する可能性もあります。

不具合のある流れは、わりと「こだわり」から発生していることも多い気がします。

「こだわり」を手放すには、それが悪さをしていることに気づいて、客観的な事実に基づく判断が必要です。

しかし「嗜好品を控えて、肉や魚、果物や野菜を摂る方が健康的」という、真正面からの正論は、みんなわかっているのです。

でも……という、ここから先のところは、次でお伝えしたいと思います。

とりあえず「好きなこと」をして過ごすことで変化が…

私がこの「こだわり」を手放すときに心がけているのは、とりあえず「自分が今したい好きなことをする」です。

私の場合は、読みたい本を読んだり、音楽を聴いたり、散歩したりすることが多いです。これらの好きなことをした後は、自分の充電をし終わったように元気があります。

そういうふうに自分が満たされていると、心なしか執着心も小さくなり、こだわりも手放しやすい気がします。

「こだわり」にこだわっているときほど、自分が「本来好きなこと」や「あると満足するポイント」をすっかり忘れてしまっていることが多いです。

「こだわり」にこだわるばかりに、どんどん状況が苦しくなる選択肢を選ぶようになり、それが不具合に繋がっていく気がするのです。

先ほどの「嗜好品」のこだわりを手放したいなら、まずすぐにできる「自分が今したい好きなこと」をしてみると、わりと満足して気持ちも落ち着きます。

とりあえず手近にある好きなことをしてみると、「なんであんなにこだわってたのか……」と冷静になれて、自然と「こだわり」が剥がれていくことが多いです。

もしかすると、好きなこと、したいことができていないから、妙に「自分のこだわり」を大事にしようとしてしまうのかもしれません。

「自分が今したい好きなこと」は、不具合のある流れから、本来の自分へ立ち戻るガイドラインのようなものです。

がむしゃらに頑張り続けるよりも、少し休んだり、散歩したりして、気を緩めて過ごしていると「自分のこだわり」も薄らいでいきます。

そうなると思いもよらない不具合の原因に気づいて、あっさり解決するかもしれません。

かぜのたみ
YouTuber

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